オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』感想

f:id:Lemuridae:20171009230906j:image

(c) ATLUS (c) SEGA All rights reserved.

ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』(以下 P4D)をクリアしたのでその感想を書く。2015年発売のゲームなので、今さら感想を書くのもどうかと思ったのだが、最近ペルソナファンになったという、筆者と同じような状況にいる人には参考になると思うので…というか、してほしい。それでは長い前置きも必要ないので、さっそく始めていこう!

 

P4Dはペルソナ4のその後を描いた新ジャンルPサウンドアクション。要は音ゲーというやつである。実質的にはペルソナ4ファンに向けたファンディスクになっているので、少なくともペルソナ4をプレイしたことがないという人にはオススメできない。キャラクターの魅力ありきのゲームなので、ゲームとしての完成度は決して低くないのだが、そこでアピールしていくゲームではないと言えると思う。

f:id:Lemuridae:20171009230646j:plain

(c) ATLUS (c) SEGA All rights reserved.

 

基本的には非常にオーソドックスな音ゲーであり、流れてくるボタンを押していく、言ってしまえば手拍子スタイルのゲームである。音ゲーをほとんど遊んだことがない筆者にもとっつきやすく、難易度も複数用意されているので、40時間ほどプレイしていると最高難易度でも好成績でクリアできるようになった。このバランスは素晴らしいと思う。

お馴染みのキャラクターの掛け合いやノリを再び見ることができるのは非常に嬉しく、豪華声優陣たちのフルボイスとなっており、ペルソナ4が好きなら確実に楽しめる一本。音ゲーゆえに、当然のようにアレンジ音楽のクオリティは申し分ないのだが、遂にリアル頭身になったキャラクターのモデリングのクオリティも非常に高く、これが嬉しい。ロード時間もほぼないと言っていいほど短く、何度も繰り返しプレイすることになるこの手のジャンルのゲームとしてのストレスのなさは特筆すべきところだろう。このゲームをやっていると、気がつくと時間が経っている。

要するに、ペルソナ4が好きで音ゲーが好きならば必プレイのファンディスクだ。

 

f:id:Lemuridae:20171009231313j:plain

(c) ATLUS (c) SEGA All rights reserved.

 

…しかし不満もある。これはもう仕方がないことなのだが、ペルソナ4のファンディスクが出れば出るほど、本編ラストの感動は薄れてしまう。「このまま電車乗れば、二度と会えない気がして」というエンディング曲の歌詞が過不足なく伝えてくれた、グッとくる別れのラストが、青春のかけがえのない時間を見事に描いていたのに、あれからも何度も集まっているという続編を作られると、あのラストも興ざめになってしまう。みんな大人になって外見も成長してたのに、またあの頃の姿になる設定なんかも無理矢理感があって、しっくりこなかった。ストーリーも無駄に長い割に、意地悪な言い方をすると普通でしかないので、ノベルゲームとしての魅力はない。言ってしまえば蛇足。だがファンは蛇足でもいいからもう一度会いたい…なんとも深刻なジレンマだ。

 

というわけで、避けられない不満もありながら、40時間はプレイしてしまう面白いソフトでした。アニメーションの多さとかも特筆すべきほどで、確実に楽しめると思う。以上、読んでくれてありがとう。

 

 

『エイリアン: コヴェナント』感想<ネタバレ注意>

f:id:Lemuridae:20170921121415j:image

巨匠リドリー・スコット監督の最新作、『エイリアン: コヴェナント』を観た。もうすぐ80歳にもなるお爺ちゃん(失礼)が撮った作品とは思えないパワーのある映画で、見どころ満載!な一方、問題点も多々あるなーというのが個人的な感想だ。しかし筆者は『エイリアン: コヴェナント』をけっこう気に入ったし、観た人と語り合いたくなるタイプの映画だったので、今回はこの作品について書くことにする。

なお、ネタバレを含むので未見の方は読まないでほしい。

 

『エイリアン: コヴェナント』は、前作『プロメテウス』の続編で、リドリー・スコット監督が過去の自身の名作『エイリアン』の世界観を広めるべく製作している前日譚だ。この試みが成功しているのか失敗しているのかは筆者には判断できないが、事実として、宇宙を舞台にした吸血鬼映画的なホラーだった映画は神話的・哲学的なテーマを持ったものへと姿を変えた。正直、怪物映画だったのもがどうしてこんなに深いテーマを持つに至ったのかはよくわからないが、もしかしたらリドリー・スコット監督も、弟を亡くされたり 、自身が歳をとったことで、人間とか生命といったものに向き合わなければならなくなったのかもしれない。そう思うとリドリー・スコットという人物を見つめているようで興味深い。

さて、それでは『エイリアン: コヴェナント』の内容についてだ。前作が良くも悪くもエイリアン然としていなかったのに対して、今作はタイトルからもわかるようにしっかりエイリアン映画であると言えると思う。ゼノモーフがスクリーンで暴れまわるし、往年のBGMやタイトルの出方などで、シリーズを追っているファンはニヤッとできる。しかし(この文章を読んでいる人は本編を見ているとして書くが)本作の主人公は人間ではなくアンドロイドであり、ミルトンの失楽園的な物語だった。筆者は映画評論家の町山智浩さんが、ダークナイト評など、これまで折に触れて失楽園について語ってくれていたので、この映画のテーマや展開になんとかついていくことができたが、非常に宗教的かつそれに対しての知識を要するこの映画は、日本人の一般客層には理解するのが難しいものになっていたと思う。

端的にいうと前作は人間が自分たちを想像した神を殺す物語だったが、本作は人間の作り出したアンドロイドが、自ら創造を行うことで神になろうとする話。神殺しやサタン的な発言など、筆者はこの展開はなかなか好きだった。アンドロイド デヴィッドがマッドサイエンティスト的に人体実験を行っていく狂気のイカレ具合は数ある映画の中でも屈指の出来だったと思うし、演じる俳優さんも見事の一言。NARUTOの保護者になる前の大蛇丸的な純粋悪感が人の奴隷としてのアンドロイドという背景と合わさって、なかなか魅力的なキャラクターになっていたと思う。特に好きだったのは冒頭のデヴィッドとウェイランドの会話シーン。デヴィッドが「私は死なない」と言うとウェイランドがムッとしてて、逆にウェイランドがデヴィッドのピアノ演奏にケチをつけるとデヴィッドがムッとしてて、お互いに器が小さいというか、子供みたいな喧嘩をしているので笑ってしまった。微笑ましいともいうが。

しかしやたらと長い笛のシーンとか、前作でもイライラした、全然プロフェッショナルではない宇宙船クルーのバカな行動には辟易するリドリー・スコット監督は脚本には全く興味がないのか? 展開のための馬鹿キャラクター描写は物語の深刻さを著しく損なうのでやめてほしい。また肝心なエイリアンについてもよくわからないことも多いし、結局1作目に繋がらないことに非常にガッカリした。リプリーみたいな魅力的なヒロインはいない(主人公たるデヴィッドは好きだが)し、脚本やキャラクターに関してはダメダメといったところで、取り扱うテーマや映像表現に耽溺しようとするとバカな脚本やキャラがそれを邪魔してくる。うーん、勿体無い。

あとエイリアンが完全にCGになったことで迫力は凄まじく減った。筆者はCGが嫌いじゃないし、シン・ゴジラがフルCGでも何も文句を持たなかった人間だが、今作のエイリアンに関してはCGを使わないで欲しかった。なんだか重さがないというかなんというか、とにかく軽いしネトネト感もない。怖くない。これではいかん。もうエイリアン要素抜きにしてブレードランナー的なアンドロイドの話にしたほうが良かったんじゃないかと思えてきた。もちろん、エイリアンが画面に登場するとテンションは上がるのだが。

 

酷評にも頷けるが、デヴィッドのマジキチぶりとゴア表現、テーマ的なものは大好きだったので、長所もあれば短所もあり、といったところが筆者の評価だ。間違いなく前作よりは面白かったと思うのだが、どうだろう? エンジニアと人間とアンドロイド、この3つの種族の傲慢で世にも恐ろしいエイリアンが産まれたのだという展開はなかなか良かった(エンジニアの星がギーガーっぽくなかったのはガッカリだったが)。だから筆者はこの映画、なかなか好きである。

 

どうでもいいけど今回のポスターは、日本語のエイリアンって文字も含めてかなり好きだ。

『ダンケルク』感想。ノーラン最新作をさっそく観てきた。

f:id:Lemuridae:20170910160655j:plain

クリストファー・ノーラン監督は『ダークナイト』での大成功を受け、もはや、少しでも映画が好きな人なら避けて通れないほどの話題作を撮る現代の巨匠となった。そんなノーラン監督の最新作『ダンケルク』を、筆者も当然のように観てきたので、ここにその感想を書くことにする。なお、映画を観終わるまではネタバレ抜きで感想を書こうと思っていたのだけど、この映画は史実を基にしたものみたいだから、事実を知っている人にはネタバレもクソもないわけである。そして映画の内容自体もストーリーが主体なわけでもないから、今回はがっつりネタバレを含んだ感想文を臆面もなく掲載することにする。ここの演出が良かった 、とか、音響が〜とかハッキリ書いちゃうので、そういうのを知りたくない人は読み進まずにここでこのページを閉じてください。それでは…

 

筆者は現実の史実 ダンケルクの戦い についてまったく知識がない状態でこの映画を観た。知っていたことといえば、ナチスドイツに包囲された連合軍の脱出劇だという大雑把なあらすじくらいだ。そんな状態で見たこの映画は、筆者にとっては、戦争映画であると同時にホラー映画だった。銃撃音や爆発音、悲鳴などが見事な音響で現実そのもののように流れてきて、本当に筆者の周りを銃弾が飛び交っているみたいだった。そしてそれが視界いっぱいに広がる画面と混然一体となったときに、実際にそこにいるかのような錯覚を体感できた。これは恐怖以外の何物でもない。そして見た人にはわかる、穴をふさぐあのシーン、あれはもう本当に怖かった。

本作はノーラン映画独特の、観念的かつ説明的なセリフで展開される人間ドラマや映画的演出が廃されたリアルタッチの作品であり、淡々と、しかし緻密に描かれた戦災描写が視聴者に恐怖を与える。驚いたのは、敵であり、迫り来るナチスドイツの兵士の姿がまったくと言っていいほど映らないこと。だからスピルバーグの『激突!』みたいに、無機質な天災に襲われているような、あるいは悪魔に襲われてるかのような恐怖感が、全編を通して重くのしかかっている。そしてそれをハンスジマー作曲の、重低音で視聴者を不安にする音楽がほとんどずーっと流れ続けて補強する。本作はその音圧が非常に重要な構成要素とになっているので、絶対に劇場で観るべきだと思う。特にふっとその音圧がなくなるシーンの安堵感はすごかった。この音楽の使い方は『ダークナイト』でのジョーカー登場シーンの不協和音や『インターステラー』での神々しいパイプオルガンの使い方なんかと非常に似ていて、筆者は、ああ、これはノーラン映画だなぁと思った。この音圧はIMAXカメラを用いた、細部にまで焦点があった精密な映像と共に、あまりノーラン映画らしくない本作でノーラン感を味わえる重要な要素だと思う。ノーラン映画の映像体験はやはりIMAXでなければ堪能できないわけだ。

 

描かれる戦場の姿は地獄そのものといった感じで、水責めのシーンが多く、息が苦しくなる映画だが、残虐描写自体(内臓ドバーとか)はぜんぜんない。その辺が本作にも影響を与えた傑作『プライベート・ライアン』との違いであるわけだが、筆者は本作も充分に恐ろしかったというか、ライアンと同様に、絶対に戦争に行きたくないなと思った。そして同時に、人を助けるということは勇気と危険を伴うものであるけれど、非常に尊いんだなとも思えた。個人的にはノーラン監督の映画の中でも上位に値する非常におもしろい映画だったので、公開しているうちにあと何度か見ようと思う。

映画館に(とくにIMAXシアターが良し)行くことで戦場の恐怖体験ができる本作は、全ての人にオススメです。いつものノーラン映画みたいに長くないのもまた良し!

 

というわけで、読んでくれてありがとう。

 

 

 

『ペルソナ5』 ネタバレなしの感想 紹介。

怒れ! クズみたいな大人を許すな!”

f:id:Lemuridae:20170717191711j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

舞台はどこかかしさを感じさせる田舎から、人々の意がはびこる都会へ。自分と向き合う子供たちの長の物語は、レッテルを張られた子供たちによる逆の物語へ。

ペルソナ4』でシリーズ作品に初めて触れて大満足し、同様の興奮を求めてプレイした『ペルソナ5』は、筆者の予想を大きく裏切る作品だった。しかし前作の多くの要素を覆しながらもこの最新作は、筆者に最高の満足感を与えてくれる大傑作なのだ。

 

 できれば先にこちらを読んでほしい↓

 

――とにかくタイリッシュ!!!!――

f:id:Lemuridae:20170718183534j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

本作はとにかく何から何までスタイリッシュ! 洗練されたユーザーインターフェイスや絵作り、異常なまでにセンスを感じさせる演出の完成度は、文字のフォント、ロード画面の演出1つを挙げても非常にクールで、まさに最高という言葉にふさわしい。赤を基調とした世界観に、レンズフレアを多用したバキッとした映像や、ルパン三世テイストのオシャレな音楽に加えて、ハードをプレイステーション4に移行したことによるグラフィックの格段の進化。フィルムノワールのような退廃した空気を持つ世界独特の魅力を存分に味わえる。この完成度は、まさに今世代JRPGの最高峰だろう。

 

 ――スケールが増した重な物語――

ペルソナ5』の物語は、高校生と怪盗の二重生活を描いた悪童物語。主人公が率いる“心の怪盗団”は、昼はただの高校生、夜は人々の心を盗む怪盗。このフレーズだけで心惹かれるものを感じないだろうか?

青春ものにしてジュブナイルものだった前作から一変し、ピカレスク小説の趣を感じさせる本作のダークな世界観は、筆者のなかの14歳を歓喜させた。国家を揺るがす陰謀に絡んだ物語は、前作から大幅にスケールアップし、総プレイ時間が80時間を超える大ボリュームをだれることなく完走させるのだ。

実を言うと筆者は、前作の底抜けに明るい物語に魅了された直後に本作をプレイしたので、プレイ当初は本当にびっくりしてしまった。話の導入は非常に暗く、そのダークで重い展開は予想していたものと全く違ったのだ。それは深刻に「これって、本当に楽しくなるのか…?」と不安視せざるを得ないほどだった。

しかし安心してほしい。今作はダークでありながらも本質は前作と変わらず、しばらく物語を進めると「あ、これは間違いなくペルソナそのものだ」と確信できるはずだ。もちろん新規ユーザーもシリーズに通底する楽しさをここで味わえる。

 

 

――魅力的なキャクター造形――

くせ毛で猫背、すらっとした長身に高い頭身。本作の主人公は『蘇る金狼』の松田優作や『カウボーイビバップ』のスパイクを思わせる少し皮肉屋かつ冷静な男(プレーヤー次第ではあるが)で、福山潤のボイスも含めて本作の世界観に見事に適応。そしてそんな主人公(我々プレイヤー)の仲間になる高校生たちはそれぞれが個性的かつしっかりと芯を持ったキャラクターで、抜群の魅力がある。前作の仲間たちにも引けを取らず、筆者は全員が愛おしかった。

交流を深め、キャラクターとの絆を生むことが目標となるこのゲームにおいて、キャラクターの魅力はイコール、ゲームそのものへの魅力に直結する。青春ものというフォーマットにおける人間関係や、レッテルを張らずに主人公たちに接してくれる数少ない大人のキャラクター、その中でも特に、性的魅力満載の成人女性キャラクターの造形なんかは本当に見事というほかない(筆者の趣味かも)

そしてキャラクターの魅力はいわゆる、味方のキャラだけにとどまらず、悪役側も見事。主人公たち(そしてプレイヤー)が憎まなければならない“クズみたいな大人”の絶妙なクソ野郎っぷりと肉体感は、完璧な憎たらしさを持って表現されている。

 

 

――進したゲーム性――

f:id:Lemuridae:20170718183510j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ゲーム性において、本作は格段に進化した。フリーロームの探索要素は圧倒的なボリュームに進化し、都会の喧騒のなかを動き回るだけでも非常に楽しい。またRPGダンジョンに、“怪盗”という題材らしいステルス要素が追加され、ゲーム性を格段に向上させることに成功している。例えば、前作のダンジョンでは敵に奇襲を仕掛けるために相手が背後を見せるのをダラダラと待つ必要があったのだが、今回は壁への張り付きや高所からの奇襲など、それを見栄えの良いものに変更。ルパン三世やミッションインポッシブルで慣れ親しんだような怪盗ものらしいギミックがプレイヤーを待ち受けている。また、オートリカバーの追加や戦闘中のパーティの変更など、前作での不満点にもならなかったような些細な欠点を細かく補完していているので、全体としてはさらにプレイしやすくなった。上述したように演出もカッコよくなったので、これぞまさに正当進化だ。シンプルに動かしていて楽しい。

 

―― CAUTION!!!!――

一応、ここで『ペルソナ5』をプレイするにあたっての注意事項を書いておく。このゲーム、ボリュームが異常に多いので、忙しい人や働いてる人には辛いと思う。筆者のように学生とかじゃないとなかなかクリアできないというか、筆者ですら終わりがなかなか見えなかった。

それから中学生や高校生の諸君に、生意気にも大学生からの忠告。このゲームは中二病的魅力にあふれているので、たぶんそういうお年頃の人がプレイしたら影響されまくるというか、たぶん14歳の筆者がプレイしてたら凄く痛いことになっていたと思われる。ポケットに手を入れて歩いたり、不良ぶったり、自分には特別な能力がある!って勘違いは黒歴史を生むだけだと思うのでやめとこう。カバンに猫を入れて登校するなんてことは言うまでもなくしてはいけない。

 

 

――後に――

ペルソナ4』にドハマりして、もうこれを超えることはないだろうと思っていたら、次作はテイストを変えながらも、完成度としてはさらなる高みへと至っていた。どちらも目指している方向性が違うので、どっちが好きかは人によって異なると思うが、操作性や演出などはきちんと正当進化しているのが流石というか、素晴らしい。前作が大いに気に入った筆者も、どっちが好きか悩むほどハマった。

5作目にして、筆者にとってはシリーズ2本目にあたるので、もっとさかのぼってシリーズ作品を遊んでいきたいと思う。『ペルソナ5』は前作に引けを取らない、いや、超えているともいえる大傑作でした。

最後に、ペルソナ、恐るべし!!!!

 

ペルソナ5 - PS4

ペルソナ5 - PS4

 
『ペルソナ5』オリジナル・サウンドトラック

『ペルソナ5』オリジナル・サウンドトラック

 

 

厳選 隠れた名作ノベルゲーム 7選!

f:id:Lemuridae:20170706220907j:image

回は筆者が厳選した、隠れた名作ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを7本紹介する。なお、これから挙げるタイトルの中には「隠れてなくね?普通に名作だわ!」と、お怒りになるかもしれないタイトルも含まれているが、それは承知の上で、さらに多くの人に遊んでもらいたいと考えているからこそ紹介する(実際有名な作品でも、友人達にタイトルを確認してみると、みんな知らないんだよな〜)。というわけで、始めよう。

 

 

 

1.『セカンドノベル 〜彼女の夏、15分の記憶〜』

f:id:Lemuridae:20160602220325j:plain
初に紹介するのは、日本一ソフトウェアから発売されたPSP用ソフト。5年前の事故により、15分しか記憶を保てなくなった少女の「高校時代の記憶」を巡った物語であり、このストーリーとシンクロした珍しいゲームシステムが搭載されていて、これがすごい。

人を選ぶゲームだと思うので万人にはオススメできないが、パッケージから感じられる夏独特の空気や夕焼けの切ない雰囲気に惹かれる人や、考察が好きな人には強くオススメする。ライターさんの提示する物語論が興味深い一本で、ハマる人はとことんハマる隠れた名作だ。

今では中古でPSP版を手に入れるか、VITAでダウンロード版を購入することができる。

 

 

  

『極限脱出3部作』

2.『極限脱出 9時間9人9の扉

3.『極限脱出ADV 善人シボウデス

4.『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』

f:id:Lemuridae:20170623105133j:image

限脱出シリーズ(あるいはゼロエスケープシリーズ?)はチュンソフトから発売されているアドベンチャーゲーム。タッチスクリーンを駆使し、謎の施設からの脱出を目指そう。

タイトル通り、オーソドックスな脱出ゲームとしての思考パズル的な楽しさがあるのだが、このシリーズの肝となるのはそこではない。プレイ体験の裏に、恐ろしく巧妙かつ大胆に練られたシナリオが隠されているのだ。

3作品あるため、相当なボリュームをプレイする覚悟はいるが、シナリオの先に待っている結末には必ず満足できるはず。3部作全てが面白いアドベンチャーゲームとしてオススメする。

今では3DSかVITAを持っていれば全作プレイできるため、旧機種は必要ない。1作目と2作目のセットも発売されたので、今から遊ぶならそれがオススメだ。

 

 

 

5.『ルートダブル -Before Crime * After Days-』

f:id:Lemuridae:20160905214230j:plain

?なんだこのクオリティ…? とクリアして唖然としたのがこのゲーム。質というものが人気と売り上げに直結するわけじゃないことは理解しているものの、ルートダブルほどもっと評価されるべきゲームはないと思う。

1つの物語を視点を変えて見せる語り口や、各章の間に挟まれる次回予告など、とにかく“読ませる”文章がプレイヤーの手を止めない。様々なキャラクターの思惑が錯綜するシナリオと魅力的な舞台設定、ゲームシステムと直結したマルチエンディング方式による没入感など、とにかく褒めるところが多すぎる。誰がやってもある程度は満足できる作品に違いない。

今ではなんと、XBOX360PS3Windows・VITA(ダウンロード版のみ)、IOSAndroid(予定)でプレイできる。もはやプレイ環境が整ってない人の方が少ないのではないだろうか。

 

 

 

6.『ダブルキャスト

f:id:Lemuridae:20170623104604j:image
れは「ノベル」ゲームかと言われるともはや違うのかもしれないが、間違いなくアドベンチャーゲームではあるだろう。全編がアニメーション(!)という驚異的なゲームであり、さらにその品質も非常に高い。

丁寧なアニメーションで描かれる女の子との同棲生活を楽しもう。

やるドラシリーズ処女作にして最高傑作でもあり、今プレイしても充分に楽しめるというか、今だからこそプレイしてほしい仕掛けが満載。記憶に残るシーンに満ちた名作である。
今では中古でPS1版 PSP版を手に入れるか、VITAでダウンロード版を購入することができる。ん?ドアノブが照れている…⁉︎

 

 

 

7.『デイグラシアの羅針盤

f:id:Lemuridae:20170117215917j:plain
後に紹介するのは同人ゲームの秀作。カタリストさんが手がけた『デイグラシアの羅針盤』だ。個人的に今最も応援しているゲームであり、作り手さんたちに一方的な親近感を感じている。

深海に取り残された主人公達の脱出サスペンスであり、練られたシナリオが秀逸な一本。非商業ゲームゆえの素材の少なさやチープさは感じられるものの、非常に丁寧に作られた作品であり、なんだか好感が持てるのはなぜだろう。筆者はここに同人ゲームの本気を見た。メアリー・セレスト号」「正解のないノベルゲーム」といったワードに反応した人はプレイしてみてほしい。

対応OSはWindows 7 / 8 / 8.1 / 10 。一応XP、VISTAでも動作する可能性があるそうだ。CPUはPentium以降でメモリは256MB以上必要らしい。気になる人は公式サイトで体験版が配布されてるので動作確認してみてほしい。

 

 

 

 

上、厳選 隠れた名作ノベルゲーム 7選!でした。一つでも手に取ってくれれば書いた意味があるし、嬉しいなあ…。

では、読んでくれてありがとう。

『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』 シリーズ初心者の感想。みんな、今すぐプレイしよう!

f:id:Lemuridae:20170614150244j:image

今回は当ブログでは初のRPGを紹介する。なんというか、筆者的には「やっとか…」といった感じだ。当初はジャンル差別なくゲーム全般を扱うブログにするつもりだったのだけど、気がつけばノベルゲー専門ブログのようになっていたからなぁ…。

まあそれはさておき、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』をクリアした感想を書くことにしよう。なお、この記事の対象としては、未プレイ者と既プレイ者の両方を想定している。ネタバレは極力しない方針なので、ここまで来てくれた人は読んでいってほしい。

…では始めよう。

最初に感想を端的にいうと、大満足であった。評価の高さから非常に期待が高まっていたのだが、その期待を余裕で超えてきた。なんというか、こんなに面白いゲームだとは思ってなかった。ゲームバランス、デザイン、音楽、ボリューム、パッケージ、その全てに隙がなく完璧で、圧倒されました。というのも、プレイする前まではRPGというジャンル自体が好きではないのに加え、あまりにも評価が高いので「信者の声が大きいでしょ?笑」とか、「なんかあれでしょ? オサレなんでしょ?笑」といった負の先入観で舐めていのだ…。すいませんでした! 反省しています! 今では私も立派な信者の1人です!

 

↓みんなもここからペルソナの世界へ入ってほしい!

f:id:Lemuridae:20170613193039j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

 

それで実際にプレイした感覚としては、『サクラ大戦』や『ガンパレード・マーチ』に近いと感じた。もちろん舞台や世界観などは全く違うのだが、ゲームシステムは共通点が多いと思う。つまり基本的なゲームスタイルは、日常を過ごすシミュレーションパート(とでも言えば良いのかな?)でスキルを上げ、そのスキルを活かして戦闘パートで敵と戦うというものである。あるいは、日常部分で得た信頼や友情が戦闘に役立つシステムとでも言い換えようか。

主人公は田舎の叔父の家に預けられた高校生で、ゲーム開始時に名前を決めることができる上に、音声もほとんど収録されていない、言わばプレイヤーのアバターである。転校先の高校で主人公(プレイヤー)は仲間たちと友情を育み、共に敵と戦うことになるのだが、筆者が気に入ったのは、子供と大人の中間である高校生達が主人公だというところだ。大人たちに危険なことをするなと釘を刺され、親の目から隠れて事件を追うという少年探偵団的な要素。放課後のフードコートに集まって、事件について話し合うというシチュエーションが、友達と秘密基地を作った少年時代を彷彿させて胸が高まった。なんというか、幼い頃に感じた台風や地震の時などの何とも言えないワクワク感のような、非常時に流れる、ある種の祭的な雰囲気が良い。

 

↓フードコートが特別捜査本部なのだ!

f:id:Lemuridae:20170613192154j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

 

そしてこのゲームの主題となるのは、そんな彼らが 「自分と向き合うこと」だと思うのだが、このテーマを描くためにこそ主人公たちが高校生なのだろう。「社会が求める自分」と「本当の自分」とのギャップに悩む高校生たちの姿は愛おしく、気がつけば応援している自分がいた。また、そんな彼らが自分と向き合うことで成長していく姿は、筆者のようなモラトリアム人間には特にグッとくる。分かりやすすぎるくらいの王道展開ではあるが、豪華な演出と大ボリュームで展開されるために、この上なく面白いものに仕上がっている。全てのキャラが生き生きとしていて掛け合いが面白く、楽しい時間が過ごせるはずだ。勧善懲悪、こういうのでいいんだよ!

そしてさらに良かったのが、「この時間は二度とやってこない」ということがきちんと描かれているところ。これはもう言ってしまえば、青春ものの肝だと思うのだが、ここでもしっかりと押さえられている。ゲーム内時間が1日過ぎるとカレンダーが表示されるという演出が時の流れをプレイヤーに常に意識させて、林間学校に文化祭といった楽しいイベントがすぎるたびに、「この時間はもう二度とやってこないのだ」と感じさせて切なくさせてくる(それはゲームをクリアしてしまうことに対する寂しさでもある)。確実に進んでいく限りある時間の中で何を選択し、どんな行動をするのかという、機会費用という言葉の意味を痛感させられるほどの自由度の高さが、プレイ体験をかけがえのないものにしているのだ。また主人公は春には東京に戻ってしまうという設定も、今しかない時間を強調する。成長することによる若さと純粋性の喪失…あの時間はもう二度とやってこないんだなあ…。あぁ、切ない…(なんだか高校最後の文化祭を思いだしました)。

 

↓青春だなあ…

f:id:Lemuridae:20170613212543j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

 

そしてそんなストーリーを盛り上げるのが音楽だ。今作の音楽は素晴らしい。遊び始めてすぐに気に入ったのは音楽だった。オープニングからオシャレでかっこいいし、女性ボーカルによるボーカル曲がフリーロームで流れたりして、常に耳が幸福感に包まれる。戦闘音楽も爽快感があるし、音楽はこのゲームの完成度を2倍以上にしていると思う。筆者は即効でサントラを買ってしまった!

 

↓プレイすると購入不可避!

「ペルソナ4」オリジナル・サウンドトラック

「ペルソナ4」オリジナル・サウンドトラック

 
ペルソナ4 ザ・ゴールデン オリジナル・サウンドトラック

ペルソナ4 ザ・ゴールデン オリジナル・サウンドトラック

 

 

次に戦闘パートの、いわゆるRPGとしてのゲームシステムについて。筆者がRPGが好きではないのは、ターン制によるテンポの悪さやシステム的に敵の攻撃を避けられないといった理不尽さ、それに起因する爽快感のなさが理由なのだが、ペルソナ4はそれらを可能な限り回避している。

f:id:Lemuridae:20170613192740j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

上述した爽快な音楽とテンポの良い演出はプレイヤーにダレ場を与えないし、相手の弱点を突くことで仲間と一斉に攻撃を仕掛けた時の気持ちよさは他では味わえない(他のRPGはあまりやってないけど 笑)。たとえば『サクラ大戦』はシミュレーションパートは楽しいんだけど、戦闘パートはダラダラと爽快感がなくて苦痛だった(いや、好きなゲームではあるのだが…うむ…)。しかし、『ペルソナ4』は全くそんなことはない! 爽快感に加えて難易度も程よく、試行錯誤によって「勝てなかったアイツに勝てた!」という感動を味わえる! この時点でRPGの弱点は回避している! レベルを上げて物理で殴ればいいゲームとは違うぞ!

 

そして全体的なデザインについて。キャラクターデザインはポップさと可愛らしさの中間点として馴染みやすさと芸術性を兼ね合わせてると思うし、悪魔絵師こと金子一馬さんが描くペルソナやシャドウ(スタンドや敵キャラみたいなもの)は正統派ファンタジーに現代的な要素を加えたような感じでカッコいい。音楽ともマッチしている絵柄ということができ、他のゲームにはない独特な世界観を醸し出している。以前は筆者も「なんかあれでしょ? オサレなんでしょ?笑」と小馬鹿にしていたわけだが、実際にセンスが良いのだ。オシャレなのだ。それを誰が否定できるだろうか? というか、否定したくもない。演出や音楽、デザインなどが全て明確に同じ方向に進んでいるから世界観にブレがなく、完成度が高いのだと思う。

 

↓菜々子ちゃんは天使です…

f:id:Lemuridae:20170613212837j:plain

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

 

総じて、ゲームとして楽しく、ジュブナイルものとして楽しく、様々な要素が膨大なボリュームを持ち、オシャレなデザインや音楽が彩る、爽快なバトルシステムが魅力の神ゲーでした。とりあえず一周するだけでも約60時間という恐ろしいボリュームなので、やり込めば200時間くらいは遊べるかもしれない。筆者ももっともっとやり込もうと思っている。食わず嫌いや先入観で舐めてる人は迷わずプレイしてみてほしい、VITAユーザー必携の一本だ。

 

ペルソナ4 ザ・ゴールデン PlayStation (R) Vita the Best - PS Vita

ペルソナ4 ザ・ゴールデン PlayStation (R) Vita the Best - PS Vita

 

画像は全て、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン PlayStation®Vita the Best』から引用しました。

 

『この世の果てで恋を唄う少女yu-no』感想。

f:id:Lemuridae:20170516203710j:plain

この世の果てで恋を唄う少女yu-no』は、アドベンチャーゲーム史に残る傑作として名高い作品である。筆者はノベルゲーム・テキストアドベンチャーゲームに慣れ親しんでいるので、ある意味この作品は一般教養、プレイ必須のものであると認識していたのだが、pc98とセガサターンでしかリリースされていなかった(過去形)ため、今まで触れることができないでいた。しかし2017年3月16日にPSVITAPS4にてリメイク版が発売され、さらには1996年に発売されたPC-9801版が楽しめるDLCカードが初回特典として封入されているとのことで、ようやくオリジナル版をプレイすることができた(リメイク版でも良いんだけど、やっぱりオリジナルからプレイしたいので)。

しかし念願叶ってプレイした『この世の果てで恋を唄う少女yu-no』ではあったが、筆者にとっては非常に退屈なゲームであった。どれくらい退屈だったかと言うと、普段はどれだけ退屈なゲームでも一応最後までプレイする筆者がクリアする前に投げてしまったほどだ。だからこの記事はクリアすらしていない ゆとりゲーム世代の誹謗である。うーん、さすがに20年前のゲームは古過ぎたか…。

まずこのゲーム、主人公に好感を持てない。目上の人にもタメ口だし、全体的に態度が悪い。悪いやつではないんだけど、割と自分勝手なので、見ていてイライラする。主人公との共感ができなければ楽しめないタイプのシナリオなので、この時点で筆者にとってはかなりのダメージであった。

そしてヒロイン勢にも魅力を感じられず、もとがアダルトゲームということもあるのだが、貞操観念が乱れまくってるキャラは理解不能で、唐突かつ不自然なエロシーンに辟易し、なんだか全部が気持ち悪い。特にライターさんの力が入っていると思われる主人公の義母のキャラに(絵柄が古いということも相乗効果で)全くもって魅力を感じられなかったため、彼女に関するルートは本当に苦痛だった。

 

 

※ここからネタバレあり

 

 

本作を象徴するゲームシステム、並行世界を具現化した「A.D.M.Sシステム」はフローチャート上に任意のタイミングでセーブを行い、他ルートでの記憶を引き継いだまま時間軸、世界軸を自由に行き来するというシステム。このシステムが画期的である(あった)ことは筆者も認めるところで、20年前によくやったものだと感心した。

しかしさすがに荒削りで練られておらず、かなり不便である。画面クリック総当たりという、言ってしまえば面倒なシステムに(分岐がわかりづらい)、フラグ建て必須のこのシステムを追加していることで、ゲームの難易度が非常に高くなっている。何度もセーブとロードを繰り返すこと自体がこのゲームの要であることは理解できるのだが、その面倒さを超えるほどの魅力をシナリオが持っていないため、単純に苦痛でしかないわけである。しかもシナリオ上は記憶を引き継いでいるはずの場面でもゲーム上は何事もなかったように進行してしまうので、没入感は低い。同様の構造を持つものとしては『極限脱出ADV 善人シボウデス』なんかのほうが完成度が高かったように思う。

なんいうか、システムの古さゆえの操作性の悪さとか、全体的な時代感。そういうものを苦手としてしている筆者のようなプレイヤーのためにリメイクされたんだから、そもそもそっちをプレイするべきだったわけである。だがもういいや…疲れたよ…もうゴールして良いよね…?

 

というわけで、久しぶりのレトロゲーにワクワクしたのもつかの間、プレイを断念してしまった『この世の果てで恋を唄う少女yu-no』でありました。同じようなゲームなら『スナッチャー』とか『ポリスノーツ』、『御神楽少女探偵団』なんかのほうが好きだな〜。

 

ちなみに筆者は達成率50%くらいで断念しました。そこまでしかやってないくせに批判するなと言われたら、すいませんとしか言いようがない。