オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『この世界の片隅に』 今さらながら感想を。

f:id:Lemuridae:20170216181022j:plain

昨日、異常なまでに評判の良いアニメーション映画『この世界の片隅に』を観てきた。今や世評も定まり、一部では昨年度ナンバーワンの評価もされているこの映画。筆者の期待値も上がりに上がっていたのだが、結果 期待を裏切られることもなく非常に楽しむことができたため、今回はその感想を書くことにする。なお、公開から既に数ヶ月たっているので、もうネタバレしても良いだろう。この記事にはネタバレが含まれるため、未見の人はここで帰ってほしい(というかほぼ、見た人向けのページである)。

 

それでは…

実はこの映画、評判が良いのは知っていたんだけど、劇場はスルーして円盤の発売を待とうと思っていた。というのも、上映館数があまり多くないこともあり、筆者としては、ちょっと遠出しないと観ることができないのだ。それに戦争映画って観賞後に落ち込んでしまうしな〜と思ったりして、なかなか重い腰をあげる気にならなかった。だけども数日前、この映画の監督を務めているのが、あの二丁拳銃ガンアクションアニメ『ブラックラグーン』と同じ、片渕須直さんであるという事実を知り、その作風の広さに驚愕するとともに興味を惹かれたため、劇場に足を運んでみた。結果、今まで観に行かなかったことに後悔し、同時に劇場で観ることができて良かったと思った。

 

この映画って、本当になんか独特な作品だと思う。今まで観てきたどの戦争映画とも違って、なんというか、ほのぼのしてるし、コメディだし、ゆるい。主人公の すずさん はほわ〜っとしてて可愛いし、なんか戦時中版けいおん!って感じ。すずさんの、大状況にいながらもマイペースさを持ち続け、それゆえに世の中を客観的に見ている感じが、自伝漫画における水木しげるみたいだな〜と思いながら観ていたら、中盤で腕を失ってしまうシーンがあって、本当にビックリした。失った手が、利き手かそうでないかで凄い差が生まれるんだな~と。想像力を奪われるということは残酷なことである。

 

凄いな~というか、本当に敬意を抱かざるを得ないのが、この映画で描かれる人たちがみな、どれだけ悲惨な状態でも、今現在を精一杯楽しんでいるところ。能天気というかなんというか、押しつけがましさがないぶん、より視聴者に委ねてくる部分が多い。道端の片隅にある雑草をあんなに楽しそうに料理してるシーンなんて見たことなくて、笑っちゃいけないんだろうけど笑ってしまう。クソまずい米の炊き方をしたり、嫁ぎ先の苗字を知らなかったり、二言目には「あちゃ〜」って言って頭をかいてるゆるい女の子が、時代という大きなうねりの中で追い詰められ、片隅にすら居場所を与えられない世界の残酷さと、奪われるものの悔しさ。敗戦という言葉の重さと、筆者とほぼ同い年の女の子が頑張る姿、その強さ、女性の強さに何度も泣かされました。何気ない日常から見える世界の姿と、決して涙を見せなかった主人公を、あのゆるいほのぼのした女の子を、地べたに這いつくばらせて泣かせるあのシーンは、ああ!やめてくれ!ってなって、筆者はボロボロ泣いてしまった。

 

実際に すずさん みたいな人がいたのかはわからないけど、非常にリアリティがあり、キャラクターのその後が知りたくなる良い映画だった。見る前は重苦しい映画なんだろうと思っていたけど、実際には(重いシーンもあるものの)テンポよくゆるいシーンが続く見やすい映画でした。二時間越えというアニメーション映画としては長い上映時間も苦ではない。確実に日本映画史に残る一本だと思うので、必見である。空襲や大砲の爆音の怖さは劇場ならではのものだと思うので、筆者は公開している間にもう一度は観に行こうと思う。

 

というわけで、読んでくれてありがとう。

『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』ネタバレ抜きで感想を。

f:id:Lemuridae:20170208101803j:image

ルパン一家の若き日の姿を描くスピンオフシリーズ「Lupin the Thirdシリーズ」。その最新作である『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』を観てきたので、ここにネタバレ抜きで感想を書く。まあ、とはいえネタバレ抜きにしようとしても、どうしても少しはネタバレしてしまうと思うので、全く前情報を入れたくない人は読まない方が良いと思う。

 

それでは…

本作はルパン一家の中でも最も戦闘能力の高い居合の達人、石川五ェ門を主人公としたスピンオフという触れ込みだったが、実質的には『ルパン三世』という作品の枠の中で五ェ門にスポットを当てた話という感じだった(まあこれは前作もそうだったので、だいたいわかっていたのだが)。時間軸としては前作の数ヶ月後に当たるらしく、70年代の日本を舞台としている。おそらく緑ジャケットのファーストシリーズ5話から7話の間?に位置する舞台設定なのだろう。まだルパンたちと五ェ門は仲間になっていないのだが、それでも互いの実力を買っているという関係性が良い。そしてルパン一家が全員若くてとがっているのが嬉しい。優しいおっさんルパンはどこにもいないのだ。

基本的な雰囲気は前作と同じであり、監督の小池健の作風が強く出ている。非常にスタイリッシュでハードな表現が満載だ。前作は次元大介が強敵と「世界最強のガンマンの座」を奪い合う話だったわけだが、今作は五ェ門の雪辱と精神的な成長を描いた復讐劇である。アニメーション、ひいては実写作品でも敬遠されがちな、刃物で斬られた人体の描写が非常に生々しく描かれており、日本刀の美しさと同時に、その恐ろしさを視覚的に伝えてくる。筆者は刃物って怖いな〜と、わりと本気で思った。鋭利なもので身体を切られる感覚は多少なりとも知っているので、画面からの「痛さ」が半端じゃない。本作はPG12指定の作品だけど、実質的にはR15指定レベルのハードな表現が満載なので、過激なシーンが苦手な人には注意が必要だろう。

そして本作は、おそらく『風魔一族の陰謀』以来の五ェ門がメインを張る作品だったわけだが、今回はまだまだ初登場時の雰囲気をまとった、とがってる頃の五ェ門が主人公であるため、いつもの五ェ門が見たいという人にはオススメできない。ルパン一家からも愛されているカワイイ末っ子キャラの五ェ門を見ることはできないからだ。しかし、本作の若い五ェ門も非常に魅力的なキャラクターであり、自分の実力に増長し、派手な紋付袴に装飾の施された刀を持っているところなんかは、ストレートに五ェ門の若さを象徴していて非常に良かった。大塚周夫ボイスの頃の五ェ門、または目つきが人殺しの頃の五ェ門に魅力を感じる人ならば楽しめると思う。

今回の不満点をしいてあげるなら、敵がまんまロジャー・ムーア時代の007の敵キャラ「ジョーズ」のキャラクターであることと、前作もそうだったのだが、CGのモブキャラが浮いていたところだ。特に敵キャラは魅力的なのに根本的な設定が他人の袴でなんだかな〜と思った。まあ、しいてあげるならだけど。

 

というわけで、これ以上はネタバレになりそうなので言及しないことにする。五ェ門の登場と共に、とがってる頃のルパン一家の掛け合いが観れたのも嬉しかった。どうやらこのシリーズ共通の黒幕として、あの劇場版1作目の強敵の存在が示唆されているため、そのうちリメイク版でも公開するんじゃないかな。

非常に楽しめたので、ハードなルパンが観たい人は劇場に急げ!

 

『デイグラシアの羅針盤』感想と紹介。

f:id:Lemuridae:20170117215917j:image

 

「どうすれば、彼女たちは生きてあの海を出ることができたのか。
もし、違う選択をすれば、結果は変わっていたのか」

2033年8月1日、
深海遊覧船<sheepⅢ>は水深700mの海底に沈んだ。

一瞬にして失われた50名の生命。
残された者たちは、閉ざされた深海で生存への道を模索する。

だが、その水底には、彼らが予想もしなかった脅威が潜んでいた。

“二人の生存者”の片割れは、
繰り返す記録と記憶の果てに、彼女たちを救うことができるのか。


「生存者を決めるのは、あなたです」

これは正解のないノベルゲーム。

 

(出典: http://catalyst-games.com/#story

 

『デイグラシアの羅針盤』は同人サークル カタリストが製作したWindows専用のSFサスペンスADV。海底に沈没した深海遊覧船 SHEEPIII(しーぷすりー)、そこに取り残された者たちの脱出劇を描いている。この作品は2002年にKIDから発売されたテキストアドベンチャーゲームEver17』にリスペクトとオマージュを捧げたゲームとして一部の界隈で評判になっており、Ever17を愛してやまない筆者もようやくプレイした次第だ。そしておよそ1カ月近くかかってようやくクリア! 最近忙しかったからなあ…。

というわけで、ここに『デイグラシアの羅針盤』の感想と未プレイ者への紹介を書こうと思う。なお、本作は作り手さんたちの『Ever17』への愛が感じられるゲームであり、「クリアした時に、その作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられるようだったらいいな」と、そんな気持ちにさせてくれるゲームだった。ゆえに公平な感想 紹介にならないかもしれないが、なるべくドライに、客観的に評することを心掛けるつもりだ。

『デイグラシアの羅針盤』OP

 

 
Ever17オマージュ作品”という前評判、それはある意味、筆者にとって非常に高いハードルを意味していた。というのも、下手にパクってるだけだと不快になるだろうことは目に見えていたからだ。しかしこの作品は、そのハードルを飛び越えうる魅力を持った名作であった。

まずはパケッージを始めとする作品全体の雰囲気が『Ever17』を筆頭とするinfinityシリーズらしさを出しているところが嬉しいのだが、雰囲気や外観にとどまらず、そのシナリオも負けず劣らずの完成度を誇っている。個性的なキャラクターの紹介から事件に巻き込まれていく導入。時に楽しく、時に恐ろしい閉鎖空間での人間関係と集団心理。おおよそ深海パニックに必要な要素が網羅されていながら、そこにADVならではの丁寧な描写が積み重ねられているのは非常に魅力的だ。そして公式で“正解のないノベルゲーム”と謳うだけのことがあり、クリア後の解釈もプレイヤーそれぞれで異なる造りになっている。こういう作風は好きだな。

また、設定や科学考証がしっかりしている(少なくとも無知な筆者は納得できる)から、普通に勉強になる。よく勉強して作られた作品なんだなと感心した。かっこいいワードが出るたびにメモしてしまい、おかげで良い感じの雑学が身についたりした。

さらには、キャラクターデザインが親しみやすく、キャラクターごとに赤、青、緑、など色が分けてあるのも良い。キャラクター性がビジュアルにそのまま反映されているので、非常にとっつきやすい。音楽も作品世界をうまく表現しており、深海のイメージをプレイヤーに伝えてくれる。またあえて音楽を流さないことで、光の届かない深海の闇と存在感を出す演出なども見事である。

そしてここまで何度も『Ever17』っぽいということを書いたが、実は本作は、全体的な雰囲気や舞台などを除いて考えると、そこまで『Ever17』の構造を真似てはいないから、本質はあまり似ていないようにも感じる。つまりは本作独自の魅力が健在であるということだ。

 

しかし残念ながら同人ゲームゆえのビジュアルの弱さも垣間見える。イベントCGはかなり少なく、また立ち絵のバリエーションも少なくはないのだが、それぞれの立ち絵にあまり変化がない。だからアドベンチャーゲームの利点である、文章と視覚からくるテンポの良いストーリー展開があまり見られない。プレイ中に何度か感じた、テキストだけで進行されてしまう重要なシーンに視覚的な補助があれば、もう少しダレずにプレイできた気がする。ノベルゲームにしては小説的な脳の忙しさが感じられた。

また音に関しても、どうしても普段商業用のゲームをプレイしている筆者は物足りなさを感じてしまう。BGMは阿保剛イズムが感じられて完成度が高いのだが(Never7っぽい)曲数が多いとは言えず、効果音はなかなかによろしくない。特に、我々に最も海を感じさせてくれる波の音くらいは、もう少しこだわって欲しかった。あとこれは仕方ないのだが、同人ゲームゆえにキャラクターボイスが収録されていないので、ドラマ的な盛り上がりに欠けてしまう。やはり役になりきった声優さんの演技が話を盛り上げるんだなと再確認した。 

 

 

少し苦言のようなことも書いたが、非商業作品と考えるならば満点をあげても良い完成度である(筆者は何様なのだろう…)。全てのキャラクターが魅力的であり、久々に心から楽しめるノベルゲームだった。クリア後の余韻も素晴らしい。終盤の展開や演出なんかはほんと、感動しました。カタリストのみなさん、ありがとう。筆者も『Ever17』ファンとして、こんなゲームを創ることができたら良いな~とか思った。

というわけで、読んでくれてありがとう。

 

 

 無いものねだりだけど、音声付きだったら最高だったんだけどなあ…。

[同人PCソフト]デイグラシアの羅針盤

[同人PCソフト]デイグラシアの羅針盤

 

 

 

lemuridae.hatenablog.jp

個人的には『ルートダブル』らしさも感じたので関連として挙げときます↓

lemuridae.hatenablog.jp

 

私的な文句・愚痴vol.5 表現規制

f:id:Lemuridae:20170105184705j:plain

映画やゲームに触れていると、どうしても気になってしまうのが表現規制、いわゆるレイティングというやつである。特に海外ゲームの日本版に多く見られるのだが、残酷な表現や性的な表現に規制がかかって見えなくなっていたり、なんならカットされていることも少なくない。今回はこの表現規制についての文句というか愚痴を書こうと思う。

 

まず、「表現規制は必要か?」と聞かれると筆者もこう答える、「もちろん必要だ」と。テレビでかっこよさげにドラッグを使用してるシーンなんか映すべきじゃないし、過剰なスプラッタ表現でお茶の間の空気を壊すようなことはすべきではない。そんなことは当たり前である(昔はスプラッタ映画とかもテレビ放送してたみたいだし、ホラー映画くらい放送しても良いと思うが)。そんなことはわかってるうえで筆者が文句を言いたいのは、どうして18歳未満が購入できないゲームソフトでも規制されなきゃならないのかということだ。

実際問題として、毎回がっかりさせられるのだ。『ゴッドオブウォー』しかり『ラスト・オブ・アス』しかり、日本で発売されるバージョンだけ規制がかかっている。どうしてなのか。どうして日本はこんなにもゲームに規制をかけたがるのだろう?

筆者は以前、『アンティル・ドーン 惨劇の山荘』というゲームをプレイするのを心待ちにしていたのだが、購入をやめた。なぜかというと、日本版は規制によって残酷なシーンで画面が暗転してしまい、何が起こっているのかわからなくなっているからだ。ここで言いたいんだけど、“雪山の山荘に集った8人の男女が謎の殺人鬼に襲われる惨劇を描いたホラーアドベンチャーゲーム”という触れ込みで、18歳未満は購入できないこのソフトをわざわざ購入する人の中に、残酷表現を好まない人がいるだろうか?

いないだろ。

 

公共の福祉という言葉があるように、過激な表現を大衆の目に無理やり入れる必要はない。しかしゲームとか映画というものは、R指定とかCEROのレイティングとか、住み分けがきっちりできてるんだから、そこを超えての表現規制は勘弁願いたい。というかどんなに規制したところで、この電脳時代である。どんなにヤバい映像だって簡単に検索できてしまうんだから、規制の意味もそんなにない気がする。

たぶん筆者が思うに、何にでも規制をかけたがる人は悪い人ではない。ただそういう人たちは異様に過保護で、過激な表現を目にするたびに「この表現は消費者にはショッキングすぎる!」と勝手に判断して我々を必要以上に子ども扱いしているバカなのだろう。はっきり言ってそれ、ありがた迷惑だから! 偉大な兄弟に見守られたくないわ!

ロボコップR指定じゃなくなり、テレビではジブリアニメかハリーポッターしか見ることができない今、再び表現の自由をここで主張したい。

というわけでこの記事はここで終わる。読んでくれてありがとう。

 

というか『我が闘争』とか『ライ麦畑でつかまえて』とかのほうが悪影響が強そうなのに普通に手に入るよな…いや、規制しろと言ってるわけじゃなく優先順位が分からん。

厳選 おすすめの名作ホラーゲーム 7選!

 この記事では筆者のオススメのホラーゲームを紹介させてもらう。初めに書いておくが、今から紹介するソフトは大半が10年以上前のものである。最新のゲームにしか興味がない人は読んでも意味がないと思うので悪しからず。

それでは、くどい前置きも必要ないと思うので早速始めていくぞ!

 

1.『biohazard』

f:id:Lemuridae:20160905233432j:plain

1本目から、もはや紹介するまでもない超メジャータイトルを紹介する。『biohazard』はサバイバルホラーの原点である初代バイオハザードのリメイク作品。このシリーズは大ヒットシリーズとして、たくさんの作品が発売されているけれど、筆者はいわゆるホラーゲームとしてのバイオハザードの中では、このリメイク版が最も完成度が高いと思う。オリジナル版を手がけた三上真司が自らリメイクした作品であり、彼が目指した“そこを歩く、という恐怖”は完璧な形でこのゲームに宿っている。難易度も初心者からゲーマーまで幅広く対応しているし、このゲームにはオリジナル版から引き継がれたサバイバルホラーの真髄がある。今ではリマスター版がps3やps4でもプレイ可能なため、古いゲーム機は必要ない。ぜひとも手に取ってみてほしい。

 

2.『クロックタワー2』

f:id:Lemuridae:20160905233459j:plain

個人的に非常に思い入れのあるゲーム。正直そこまで怖いわけではないが、ホラー映画のお約束がふんだんに盛り込まれていて楽しい。“少女が巨大なハサミを持った怪物に追われる”という、プロットを聞くだけで大体内容が予想できる斬新さのない内容だが、“敵から逃げるしかない・主人公を直接操作するのではなく画面内のオブジェクトをカーソルでクリックすることで間接的に指示を出す”という操作方法により、主人公が思った通りに動いてくれないもどかしさが“非力な美少女主人公”にフィットして、演出として上手くいっている。今ではゲームアーカイブスでも配信されているため、非常に安価でプレイ可能である。ぜひプレイしてみてほしい。

 

3.『かまいたちの夜

f:id:Lemuridae:20160905233536j:plain

名作ホラーサウンドノベル。雪山のペンションに猟奇殺人犯が…という内容。この作品はサウンド・音を非常に効果的な演出として用いているところに感心する。優れた推理ものでありながらホラーでもあり、ただ視覚的に驚かせるだけのなんちゃってホラーではなく、じわじわと追い詰められる怖さが見事だ。一回のプレイ時間が約1時間という適度な長さがプレイしやすく、プレイヤーが事件を推理・解決しなければ殺人は止まらないという緊張感はゲームならではのものである。こちらもゲームアーカイブスで配信されている。観ているだけじゃ解決されない、ゲームという媒体を用いたサスペンス空間を体感してほしい。

 

4.『DEAD SPACE

f:id:Lemuridae:20160905233600j:plain

日本では未発売のサバイバルホラーゲーム。『バイオハザード4』で確立された肩越し視点のTPSであり、映画『エイリアン』や『遊星からの物体X』などの影響が見られる。宇宙における圧倒的な静けさや孤独感。そしてそこに襲来する嫌悪感を感じるほどグロテスクなクリーチャーは恐怖以外の何物でもない。日本では発売できないほどの残虐描写による緊張感は尋常ではなく、初期のバイオハザードの志を継いだ名作である。少し英語が読める程度の筆者でもクリアできたため、言語の心配はない。通販などで手に入れてほしい。

 

5.『The Last of Us

f:id:Lemuridae:20160905233622j:plain

荒廃したアメリカを舞台にしたゾンビゲーム。もはや語りつくされ、称賛されつくした大傑作だから、説明は要らないだろう。筆者は骨太なゲームを求めて最高難易度、グラウンドモードにてプレイしたが、これがまあ難しくて…やりがいがあって最高でした(笑)。しかし難易度選択が多数用意されているため、初心者でも問題ないはずだ。現状において最高のサバイバルホラーゲームだと思う。

 

6.『DEMENTO

f:id:Lemuridae:20160905233653j:plain

PS2の名作ホラーゲーム。美少女を操作し、白いワンコと共に城から脱出するゴシックホラーである。もともとは『クロックタワー4』として製作されたものの、新たな客層に売り込むためにオリジナルタイトルとなったゲームでもある。システム自体は『クロックタワー3』から引き継がれているものの、それはさらに洗練され、完成されたものになっている。そして特筆すべきはロード時間の短さ! 何とほぼ皆無である。終盤に進むにつれ怖くなくなっていくのが残念ではあるが、総じて間違いなく楽しめるハズだ。本気で狂気を感じるゲームだよ。

 

7.『SIREN

f:id:Lemuridae:20160905233827j:plain

人生で一番怖い思いをさせられたゲーム。とにかく鬼畜な難易度で、いつまでたってもプレイヤーを解放してくれない。まさに“どうあがいても、絶望”である。小野不由美の『屍鬼』をベースに、スティーブン・キングの『呪われた町』やクトゥルフ的な上位神の要素、Jホラーの長所を取り込んだ演出に、これでもかと作りこまれた世界観。また群像劇であり、複数のキャラクターを操作していく中で、怪異に飲み込まれていく村のおぞましさを様々な視点から直視させられる。筆者の人生に一本!のお気に入りのホラーゲームであり、SIREN製作チームをいまだに応援している。PS2アーカイブスで配信されているため、PS3でもプレイ可能だ。とにかく怖いゲームをプレイしたい人はぜひ!

 

まとめ。

といわけでおすすめの7本を紹介させていただきました。VRが普及するとホラーゲームが復興しそうなので、楽しみにしております。なにかオススメのソフトがある人は教えてください(笑)。

 

とういうわけで読んでくれてありがとう!あでぃおすぐらっしあ~。

科学ADVシリーズ第2段『シュタインズ・ゲート』を紹介。

f:id:Lemuridae:20161221215126j:plain

シュタインズ・ゲート』はゲームという媒体を超えてメディアミックス化され、多くの人に愛されたテキストアドベンチャーゲーム(ノベルゲーム)の傑作である。今回は筆者が久しぶりにプレイし直したこともあり、当ブログでもようやく取り上げようと思う。そしてもしあなたが今、このゲームについて全くネタバレしていない状態でこのページにたどり着いたのであれば、それはもうシュタインズ・ゲートの選択以外の何物でもないと思われるため、そういう人はぜひとも実際にプレイしてみてほしい。というか、プレイしたくなる記事を目指すつもりだ(笑)。なお、言うまでもなくネタバレ抜きにするつもりなのでご心配なく(^^ゞ

また、周辺作品についてもちょこっと紹介する

 

 それでは…

シュタインズ・ゲート』は『カオスヘッド』に続く科学アドベンチャーシリーズの第2段。2010年の秋葉原を舞台に、中二病の大学生が奇妙な偶然によって生まれたタイムマシンを巡る陰謀に立ち向かう様子が描かれる。

このゲームはそれまでの時空を題材にした作品たちのほぼすべての要素がきれいに詰まっており、その完成度は尋常ではない。ぶっちゃけて言うと同ジャンルにおける偉大な先人たちの知恵をまとめただけのような気がしないでもないが、それでもここまで過不足なくまとめ切ったことは特筆に値するし、それだけで素晴らしいと言える。それにそれらの作品では曖昧にしか描かれなかった法則に明確なルールを定め、そのうえ作中で描かれるタイムトラベルにも非常に説得力があるのは本作ならではのものである。プレイしていて「このゲームの製作陣は明らかに俺より勉強してるのが明らかだからツッコめないな~」と思わされるほど科学考証がしっかりしているのが純粋にすごい(まあ、実際に専門家が見ると穴だらけなのかもしれないが)。

またネットスラングの多用や現代の(もう10年近く前だが)秋葉原の街並みが往年のタイムリープものと融合した気だるい世界観は本作独自のものであり、夏のじりじりとした暑さを感じる演出も良い。序盤に描かれる仲間たちのと日常から、徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていくまでの見せ方が上手いし、プレイヤーと主人公の視点が終始一貫しているところから来る感情移入の濃さも見事の一言である。伏線の張り巡らされたシナリオはそれだけで素晴らしいわけだが、ゲームという媒体ならではの、主人公と共に“実際にプレイヤーが決断する”ことによって物語が転換していくインタラクティブな体験も他では味わえない快感だろう。「アニメで良いじゃん」って言う人もいるけど、少なくとも筆者は、“主人公の一人称であることによる没入感”・“自分の手で物語を進めるところ”の二点から、ゲームをプレイすべきであると考えている。というか製作陣がそこにかなり力を入れてくれているのは明白なんだから、ありがたくいただこうよ。

そして音楽やビジュアルのクオリティも高く、声優陣の演技も称賛に値するレベル。特に主人公を演じた宮野真守さんに至っては、彼無くして『シュタインズ・ゲート』は傑作足りえなかったと言い切れるほどである。異常に個性の強い主人公に愛着が持てるのは宮野さんの演技の賜物であり、もし筆者が宮野さんにお目にかかったら、とりあえず「岡部倫太郎、最高でした!」と感謝したいと思っている。

 

ここでまとめとして、総じて素晴らしい作品であると書いておく。ノベルゲーム入門にもベストだと思うし、IOS版も発売されているので手に取りやすい。個人的には不満点もあるのだが、それは筆者の好き嫌いに依拠するので、今回はそこに触れないでおこうと思う(笑)。強いて言うなら、自力で最良のエンディングを迎えるのが異常に難しいのは難点かも知れない。まあ、それも演出なのだが…。

 

最後に、関連作品について紹介する。その人気ゆえにスピンオフやファンディスク、ドラマCDなど様々な関連作品が世に出ているが、もともと一本で完結してる作品であるため、あの興奮をもう一度…と思ってそれらに手を出しても、本編ほど楽しめる作品はほぼない。筆者もそれらのすべてを網羅したわけではないが、もしあなたが本編が非常に気に入って、それでも少しだけでもあの興奮を…と思っているのであれば、次の二本をお勧めする。公式アナウンスで“正統続編”であるシュタインズ・ゲート ゼロ』とドラマCD『無限遠点のアークライト』だ。

f:id:Lemuridae:20161221225453j:plain

シュタインズ・ゲート ゼロ』は公式に“正統続編”であるとアナウンスされている(ファンディスクの域を出ないと思ったが)ためファンならばもちろん楽しめるはずだし、筆者も非常に楽しんだ。そして『無限遠点のアークライト』は最高のスピンオフの一本、必聴である。この二つさえプレイ(視聴)すれば他の作品群には触れなくて良いと思う。あと意外に思えるかもしれないが、舞台版も素晴らしい出来だったりする。

 

というわけで、『シュタインズ・ゲート』の紹介でした。プレイするのだぞ...エル・プサイ・コングルゥ…!

 

 

 

科学ADV第1段↓ 

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第3段↓

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第4段↓

lemuridae.hatenablog.jp

 

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ネタバレ抜きで感想を。

f:id:Lemuridae:20161216142654j:plain

スター・ウォーズシリーズ初の実写スピンオフ映画、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を早速観てきたので感想を書く。最初に書いておくが、この記事はネタバレを避けているけれど、“どんな作風だったか・シリーズとしての位置づけはどうか”という部分は多少触れる。そして前情報くらいのネタバレ(公開前に分かってた範囲)も含むので、予備知識を一切入れずに本編に臨みたい人は、ここでお引き取りください

 

れでは、ローグワンの感想を以下に…

結論から言おう。この映画、最高に面白かった。もう2時間テンション上がりっぱなしでどうしようかと思った。というわけで、もうここで書いちゃいます。

スター・ウォーズ』が好きなら迷わず劇場に行け!

…うん、それに尽きる。遠い昔、遥か彼方の銀河系の世界観がきちんと広がるし、みんなが期待していた、エピソード3とエピソード4の間の補完が見事に果たされている。さらにはそこにとどまらず、旧三部作で主人公ルークたちが背負った“新たなる希望”の重さを明確にもしてくれる。素晴らしかった! この作品を見てからエピソード4を見ると、今まで以上に強い思い入れで物語を楽しめるだろう。

そしてこの映画はスピンオフだから、いわゆるスターウォーズの歴史においてその名を残した英雄たち(ルークやハン・ソロなど)が主人公ではない。しかし歴史において名を刻んでいなくても、誰に知られることもなく散っていった名もなき人たち(この映画の主人公たち)の勇気があったから、ルークたちがその希望を継ぐことができたのだと教えてくれる。結果として、シリーズ全体がより重厚になったんじゃないだろうか。本編で描くには重すぎるから、スピンオフという媒体をうまく生かした映画だと思った。

 

ローグワンは完全にファンによるファンのための映画になっていて、それはもうジョージ・ルーカスの手を離れた時点でわかりきってたと思う。スターウォーズが大好きな新進気鋭のクリエイターたちが作った第二世代のスターウォーズだから、ファンによるファンのための仕掛けがこれでもかというほど仕込まれていて、だからファンが観ると最高に楽しい。驚きの仕掛けがたくさんあるし、過去シリーズとの繋がりも自然で(なんとクローン・ウォーズの要素もある)ダース・ベイダーがスクリーンに映るだけでテンションは最高潮。そしてこれは実際に自分の目で確かめてほしいんだけど、ビックリするような人も出てくるから楽しみにしてほしい。エピソード7ではほとんど触れられなかった新三部作との繋がりも見れるし、まさにスターウォーズ!という感じだ(意味不明)。ドニー・イェンの棒術も堪能できるし、言うことなし。みんな、エピソード4を復習してから観に行こう!

 

というわけで、即席で書いた感想でした。みんなが早く見てくれないとネタバレできないよ~(ノД`)・゜・。