オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『クラナド』“人生”と賞賛されるゲームの感想を。

※この記事はクラナドが好きな人は読まないでください

 

 『CLANNAD』ほど賞賛されている恋愛アドベンチャーゲームは少ない。クラナドは人生”というフレーズはプレイしたことがない人でも耳にしたことがあると思うし、泣けるゲームとしての知名度と評価の高さは他に類を見ないものだ。筆者もこれほどの名作を見逃す手はないのでvita版を購入した次第である。

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そして面白いことにそのファーストインプレッションは絶望感だった。それはゲームに対するものではなく、自身の青春時代への絶望だ。あまりにも素敵な青春恋模様が描かれているので筆者のような非リア充には毒薬だった。俺の青春時代って…?と失われた時への未練が爆発してしまったわけだ(笑)。ようするに俺も制服着てデートとかしたかったの!

…もちろんそんな勝手な絶望感をゲームの評価へ押し付けるほど筆者も悪質ではない。この記事では誠実にこのゲームをクリアした感想を書こうと思う。思うのだが…。

 

 ここから先に書くことは全て筆者の個人的な感想であるため、馬鹿が的外れなこと言ってるな〜くらいに読み飛ばしてもらえれば幸いである。筆者自身も自分の感想が正しいなんて全然思っていないし、アホなので作品の良さを理解できていないのである。

なぜこんな前置きをするのかというと、今からたくさん苦言を述べるからだ。しかし誤解のないように言っておくが、筆者としてもこの記事を読んで作品のファンが不快な思いをするのは本意ではない。だから上述したように、この作品が好きな人はこの記事を読まないでください。お互いに不幸になってしまうので。

そう考えるとこの記事を書く意味もない気がしてきた。果たして誰に向けた記事になるのか…。誰も得しないよな。未プレイの人に嫌な先入観を与えるのも良くないし、ファンの感動を邪魔したくもない。筆者もクラナドを好きになりたかったし。

だけどちゃんと新品を定価で購入したのだ。五千円札を失ったのだ! 製作者への義理は果たしているつもりでいる。金払ったんだし文句くらい許してくれるよね?なので言いたいことは言わせてもらうぞ! 

 

 とはいえまずは批判する前に、値段相応に楽しめたということは書いておきたい。金を返せなんて全然思わないし時間がもったいなかったとも思わない。良いと思ったシーンや感動したシナリオもある。大人のキャラがカッコいいし、恋愛ものに慣れてない筆者は三角関係シナリオとか本当に楽しめたよ。というか途中までは楽しめていたのだ。

 途中までは…つまり、学園編はそこそこ楽しめた。しかし本作の肝とされるアフターストーリーがマジで駄作だと思ったわけだ。期待値が高すぎたこともその要因の一つだとは思うが、ゲームクリア後にこんなに嫌な気持ちになったのも久しぶりだぞ。それまでの感動を台無しにされた。もともとクズだった主人公がアフターストーリーではどうしようもないクズになっていて不快でしかない(まあ理由はちゃんとあるんだけどさ)。等身大と言えば聞こえは良いのかもしれないけど、みんなはこれに感動する…のか? あまりにも絶賛されているがゆえに感動できない自身の感性がおかしいのかと心配になっている今時分である。この記事を読んでくれている人が『クラナド』を知っているのか知らないのかわからないのでネタバレを避けて詳しくは書かないが、人の死とか病気を泣かせのために使っている製作側の意図が見え見えで興ざめする。描かれる悲劇に必然性を感じない。いや、わかるよ。映画や小説、ゲーム内のそういう設定なんて大体が泣かせのためにあるってのは。でもここまであざとく感じたのは初めてというかさ…。とあるキャラが絶対に破ってはいけない約束をしたのにそれを破ってこの世を去っていくくだりなんか怒りを覚えたぞ。というか登場人物の大半が行き当たりばったりに行動しててイライラする。将来設計もできてないのに子供作るとかアホかよと。舐めてんのか?(と、自分の力で生活したことのないガキが言っております)子供が子供を産むとダメだな。ラストの御都合展開もピンとこなかった。

 それからやたらとプレイ時間が長いのもダメだ。ノベルゲーってのはプレイ時間が長いほど、クリア後にそれが思い出に変わって感動が増すっていうのはわかる。だけどこのゲームはボリュームの大半がDQN主人公が親友に理不尽な暴力や暴言を浴びせる不快で全然面白くないギャグで占められている。これ、要らなかったと思います。しかもこのボリュームの大部分を占めてまで描いた親友キャラとのやりとりをアフターストーリーではほとんど描かないんだな。お互い成長した男としての再会をじっくり描いてくれたら面白かったと思うし、学生時代を回顧するシーンとか入れてくれたら上述の無駄なシーンも生きたのに。「馬鹿やってたよな、俺たち…」こういうシーンがあればなぁ…もったいない。

 

 最後に、決して良いところがなかったわけではない。個別ルートに凄く感動する話があるし(個別ではクズ主人公が良い人に)、クリア勢ならわかると思うけどヒトデ関係は感動するよな(笑)。桜並木の坂道から始まるヒロインとの関係、お互いがダメなところを補完しあう関係は凄く微笑ましい。うらやましい。そして終盤の父親との和解とか、夜中についに涙を見せるヒロインの両親 なんかは本当に名シーンだ。だけど一番大事なラストが全然ダメどころか、良いところを台無しにしてくれたのでイメージは最悪です。ノベルゲーは極論するとラストが全てなんですよ!

 総評として、個人的に最も期待して最もがっかりしたノベルゲームだった。 というわけで、まさに誰得な記事でした。読んでくれてありがとう。

 

クラナドが好きな人、本当にごめんなさい…。

 

劇場版についてはこちら↓

lemuridae.hatenablog.jp