オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『極限脱出ADV 善人シボウデス』ネタバレ抜きで感想を。

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極限脱出ADV 善人シボウデス』をクリアしたのでネタバレ抜きで感想を書く。このゲームは2012年発売のPSvita3DS専用のテキストアドベンチャーゲームだ。筆者がプレイしたのはvita版であるため、この記事の内容は全てvita版に関するものである。つまり3DS版の参考にはならないと思うので、悪しからず。

またこのゲームは、当ブログでもかつて紹介した『極限脱出 9時間9人9の扉』の続編である。設定やストーリーをそのまま引き継いでいるため、いきなり本作からプレイしても楽しめるとは思うが、前作をクリアしてからプレイすることを強くオススメする

それでは前置きを終えよう。

 

本作はタイトルが示す通りの脱出ゲームだ。ストーリーを読み進めるノベルパートと、タッチパネルを駆使して仕掛けを解く脱出パートを交互に繰り返しながら進めていく。

まずノベルパートについてだが、今回も素晴らしいシナリオだった。手がけるのは前作に引き続き、打越鋼太郎。前作にもその傾向はあったのだが、本作にはそれまでの打越鋼太郎作品の要素が詰まりまくっているため、氏のファンである筆者には既視感を覚えるシーンがやたらと多かった。というか、まんま同じやんけ! という部分もあり、筆者はトリックや話の展開をある程度予想できてしまった(笑)。だがそれらを知らない人には何の問題もないはず(展開が読めた筆者ですら非常に楽しめたし)。それどころか、過去作の要素をうまく1本に再構成しているため、本作で初めて彼の作家性に触れるのであれば、感動と驚愕、この上ない興奮を味わえると思う。おそらく打越氏自身も新規ファンに向けて、それまでの自作の要素を詰め込んで作ったのではないだろうか。クリアして筆者はそう思った(本当にそうなのかはわからないけど)。実際、氏のノベルゲームが輸出されていない(実際にはされているけど知名度は低い)海外では非常に高い評価を獲得している。

つまり、打越鋼太郎シナリオの入門にはベストというか、彼の集大成的な作品だ。楽しめないわけがない。ただ3部作の2作目ということもあり、話が最高潮に盛り上がったところで終わってしまう(フォースの覚醒みたいな感じだ)。そこだけは次作をプレイしてみないとなんとも言えない。

シナリオに続いて、脱出パートのゲーム性について書こう。実はこれがあまり良くない。数時間プレイすれば慣れるものの、前作よりも明らかに操作性が悪くなっている。3Dポリゴンになったのはある意味当然の進化だとは思うのだが、前作ではサクサク進んだ画面転換や視点移動にイチイチ時間がかかって、小さなストレスが蓄積する。その最たる例がアイテム欄で、前作ではボタン1つで簡単に所持アイテムを切り替えられたのに、本作では若干のプロセスを経なければならなくなった。vitaと3DSのマルチタイトルにしたことで、どちらのハードにも最適化できなかったんだろうな〜という気がする。まあ、慣れれば問題ないのだが。

一方前作の不満要素だった周回プレイに対しては快適化されていて、一度クリアした脱出パートを何度も繰り返させられることはなくなった。これが非常に良い。フローチャートが用意されたことで進行状況が一目瞭然になり、もうルートに迷うことはない。これのおかげで、上述した脱出ゲームとしての不満は残るものの、総合的に考えると前作に比べて快適になった。

前作との違いといえば、本作はキャラクターが3Dポリゴンで描かれるようになり、またフルボイスになった。3Dポリゴンに関しては好みの問題もあるだろうと思うのでなんとも言えないが、筆者的には立ち絵の方が良かったと思う。しかしこの変更は3DSでのリリースを考えると当然の帰結だっただろう。

一方フルボイス化についてだが、確かにテンポは悪くなった。しかし豪華な声優陣による演技は(前作キャラのボイスに多少違和感を感じるものの)総じてレベルが高く、緊張感を高めてくれる。だから筆者はこれを改善点として挙げたい。

 

最後に。

極限脱出ADV 善人シボウデス』はプレイヤーに緊張感と衝撃、怒涛のシナリオ展開を見せてくれる素晴らしいゲームだ。前作と合わせてプレイすると楽しい時間が過ごせるだろう。話が盛り上がるところで終わってしまうという問題点についても、最新作にして最終作となる『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』が既に発売されている今なら問題はない。

筆者は最新作も既に購入済みなので、それを楽しみにしつつ、この記事はここで終わろうと思う。以上、読んでくれてありがとう。

 

前作についてはこれを読んでネ↓


次作についてはこちら↓