オタクノ作る時間

主にノベルゲームについて取り上げてきた元学生のブログ

『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』ネタバレ抜きで感想を。

極限脱出トリロジーの最終作『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』をクリアしました。この記事ではネタバレ抜きでその感想を書きます。

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極限脱出 9時間9人9の扉』、『極限脱出ADV 善人シボウデス』に続くシリーズ最終作となった『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』は、前2作で回収されなかった伏線をきれいに回収し、シリーズを完結へと導いた。筆者としては、まずこれだけでも称賛したい。投げっぱなしで終わるゲームだとがっかりするからね。なお、この作品は過去作をプレイしておかないと全く話についていけないので、前2作のプレイが必須だ。いきなりプレイすることは厳禁である。

 

今回も相変わらず、シナリオの完成度がため息が出るほど素晴らしい。二転三転して先が気になる展開のオンパレードだし、複雑なシナリオでありながらも破綻していないのが見事だ。そうだったのか!? というこのシリーズ特有の感動も健在である。また前2作のキャラクターが大勢登場するので、今までよりもキャラクターに愛着を持てる。さらに声優さんも豪華で演技力が高いので、個性的なキャラクター達から目を離せない。

しかし筆者個人の感想としては、シナリオの衝撃度は、前2作と比べるとあまり高くなかった。きれいに完結しているけど、伏線回収のために多くの仕掛けを用意できなかったのかもしれない。とはいえ、前作が『Ever17』の焼き直し(良い意味でも悪い意味でも)然としていたのに対して、本作では新鮮なものを見れた。それになんといっても今まで謎に包まれていた部分がはっきりするため、前2作をプレイした人たちが、本作を避ける歴史、時間軸があってはならない

 

気づいている人もいると思うが、『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』は極限脱出トリロジーの最終作でありながら、タイトルに“極限脱出”とついていない。これは今までとは違ったものを創りたいというディレクターさんの意思によるものらしく、確かに前2作と比べて異なる点が多い。筆者は、今回は今までよりも海外へのアピールを強めているように感じた。キャラクターデザインがアメコミっぽくなったし、イベントシーンがすべてフルボイスの3Dムービーになったのも、海外市場を考慮した結果ではないかな? またタイトルから“極限脱出”という文字が離れたことにも納得できるように、脱出パートの数がかなり減っている。総じて、分量よりも演出重視になった感じだ。総プレイ時間も前作と比べてかなり短かった。

また驚いたのは、直接的な残酷シーンが多かったこと。血の海になるシーンがちらほらあったりして、そういった要素が苦手な人は要注意だ。

 

まとめ。

『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』はシリーズの集大成であり、完結編である。過去作をプレイした人は絶対にプレイするべきだ。また極限脱出シリーズにはハズレがなく、始めから最後まで、楽しくプレイできるということが確定した。テキストアドベンチャーゲームの歴史に名を残す良作トリロジーとして、今から1作目をプレイしても、ラストでがっかりすることはないと思うので、シリーズ全体としてもオススメです。

というわけで、読んでくれてありがとう。

 

 1作目↓

lemuridae.hatenablog.jp

2作目↓

lemuridae.hatenablog.jp