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オタクノ作る時間

バイトと学校を除くとほぼ引きこもってる学生のブログ。主に映画の感想とノベルゲーの紹介。週一更新から不定期に移行。

007シリーズ初心者が年代順に観て感想を書く!ピアース・ブロスナン編

当ブログでは007初心者の筆者がシリーズの作品を年代順に観て感想を書いている。今までは70年代、80年代と年代別にページを分けて書いていたけど、ここからは俳優別にページに分ける。そのほうが分かりやすいと思うしね。とういうわけでこのページではピアース・ブロスナンの007の感想を取り扱う。良かったら読んでいってほしい。

 

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17.『007 ゴールデンアイ

1995年公開のシリーズ第17作。ピアース・ブロスナンによる5代目ジェームズ・ボンドのデビュー作である。この映画、本当に心の底から楽しむことができる大傑作である。ちょっとそれまでのシリーズ作品とは別格の面白さだ。冷戦が終わり、また前作から6年の時が経ったこともあるのだろう。ここに新時代の007が誕生した。

ピアース・ブロスナンの演じる5代目ジェームズ・ボンドはスマートな男前で、スーツが良く似合うスタイリッシュで現代的なボンドである。印象としてはティモシー・ダルトンをよりクールにした感じだ。5代目ボンドはアクションがキレキレで、格闘シーンや銃撃シーンの迫力は歴代随一。スピード感のある銃撃戦を見ていると、007もついに今の映画のテンポになったのだな~と思った。その進化ぶりには文字通り歓喜するばかりである。

印象的だったのは本作の宿敵を演じるショーン・ビーンだ。筆者は『メタルギアソリッド』が大好きなのだが、この映画のショーン・ビーンリキッド・スネークの元ネタなんじゃないかな。存在感といい演技力といい、敵として不足なしだ。元々は相棒だったという設定も、愛憎入り混じる関係性がストーリーを盛り上げてくれる。ピアース・ブロスナンショーン・ビーンが並ぶと、本当に信じられないくらいカッコいい。そしてもちろん2人の戦いはたまらない。また、Mが女の人に変わったことにも驚いた。目力や迫力が半端なく、上司として良いキャラをしている。ボンドの実力を認めながらも馬が合わない感じが上手く出ていて、これからの2人の絡みに期待したい。

総じて最高に面白い一本。大迫力のアクションシーンや魅力的な宿敵、そしてSEXしながら相手を殺す歴代でも最高にイカれた悪女 ゼニア・オナトップ(名前がもう面白い)という凄まじい要素に満ちている。戦車で街中を爆走するといったとんでもないシーンがありながらもストーリーの緊張感が損なわれることはなく、常にシリアスさが保たれている。言うまでもなくピアース・ブロスナンのボンドもカッコいい。文句のつけようがないが、あえて一つ不満があるとすれば、新しくなり過ぎてなんか007感がしない。バカ映画らしさと冷戦の空気、それが007だったんだろう。その要素がないから、この映画は007というよりはリュック・ベッソンの『レオン』とか『メタルギアソリッド』(逆だけど)っぽく、007の名前だけ使った別のスパイ映画に見えなくもない。まあ、それも上手く進化したということなのだろうが…。というか音楽が同じ人だからだろうけど、レオン感がほんとに半端ない。この映画が大好きだけど、音楽は今までの人に担当してもらいたかった。

私的評価:★★★★★★★★★★ 10/10

 

18.『007 トゥモロー・ネバー・ダイ

1997年公開のシリーズ第18作。前作『ゴールデンアイ』を超えて、個人的に最高傑作である(映画としての完成度は前作のほうが高いと思うけど)。全編がアクションの宝庫であり、さらにボンドガールに香港映画界の大物 ミシェル・ヨーを迎えたことで最高に楽しめるアクション映画に仕上がった。退屈する暇を与えないジェットコースタームービーである。そしてシリーズの中の位置づけとしては、冷戦時代に囚われ、常に何となく古い印象を漂わせていたシリーズが現代においても成立することを示した重要な一本だと思う。完全に新世代の007として完成されているのだ。ただ、そうなるともはや別物感は否めない。アメリカ映画的なアクション大作である。しかし007としてどうとかいう問題を差し引いて考えても、この映画はなかなかの逸品ではないだろうか? 少なくとも筆者は今までで一番楽しんだ。

今回のストーリーはスティーブ・ジョブズみたいなメディア王が悪役で、その題材に時代を感じた。ああ、現代における007なんだな~。東西対立がなくなっても、まだまだ世界には脅威が残っている。時代と共に悪役は移り変わり、これからはテロリストが主な悪役になるのだろうか。

本作の魅力としては、上述したように香港映画界の大物 ミシェル・ヨーがボンドガールであるというところが挙げられる。その美貌と役どころは非常に良いキャラをして、ボンドに追っ手をまかせて抜け駆けするシーンなんかは、さながら峰不二子である。もちろん『グリーン・デスティニー』の時のようなカンフーアクションもたっぷり見せてくれる。ボンドに負けない強さを持ったボンドガールは非常に斬新で、ただ守られるだけのお姫様ではなく対等なパートナーといった感じが非常に良かった。その真骨頂がバイクでのチェイスシーンで、ここでは2人が手錠で繋がれた状態で香港映画のようド派手なアクションを繰り広げる。息が合うのか合わないのかよくわからないふたりの掛け合いは非常に楽しかった。

また今回のボンドカーはいつもより大活躍である。遠隔操作できるように進化した車は楽しい機能がたくさんついていて、その大立ち回りはシリーズ随一の名シーンではないだろうか。本作での立ち振る舞いを見て、ピアース・ブロスナンのボンドが本当に好きになった。現代的でありながらもショーン・コネリーのタフさとロジャー・ムーアユニークさを兼ね備えたハイブリッドなボンドだと思う。カッコいいし。

総論として『私を愛したスパイ』を現代の題材と映像技術で作り直したような映画だった。新時代の007であり、非常に面白い作品である。しかしそれまでの007感はないな~。ま、それが進化というものだろうが。

私的評価:★★★★★★★★★★★ 11/10

 

19.『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ

1999年のシリーズ第19作にして、20世紀最後の007。前作、前々作が文句なしの傑作だったのに対して、この映画は「勿体無い」という一言に尽きる惜しい内容だった。まず、ストーリーがここで紹介するのも難しいような複雑なものになっていて、前2作と比べてなんだか理解しづらい。おそらく純然たるアクション大作になった前作、前々作に重厚な人間ドラマを足したかったのだとは思うが、残念ながらそれが成功しているとは思えない。物語の肝心な部分がセリフで説明されるだけなので説得力に欠け、せっかく集めた豪華俳優陣や魅力的な設定も上手く機能していないのだ。この物語の核となる誘拐事件が描かれていないから、敵側のキャラクターの心情が理解できなかった。

一方、ストーリーに対してアクションは前作のような派手さはないものの、充分に楽しむことができた。冒頭のボートチェイスからのオープニングテーマへの導入は非常にワクワクさせてくれるし、ド派手なだけじゃない抑えたアクションがシリアスなストーリーと相まってなかなか良い。そしてそれらにジェームズ・ボンドのテーマを流すタイミングが上手く、否応なく燃えさせられる。一連のアクションシーンをカッコよく見せるピアース・ブロスナンは大したものであり、ルックスのカッコよさに加えて、主演三本目にして完全にボンドの役を掴んでいる。個人的には最高のジェームズ・ボンドだと思っている。

総論として、ピアース・ブロスナンの007の中では傑作までもう一歩な惜しい一本。やりたかったことはわかるんだけどな~。しかし『ゴールデンアイ』から登場した新任のMとボンドの絆のようなものを感じられたのは良かったし、ラストは笑わせてもらえる痛快な終わらせ方だった。ダメだとは思わなかったから、まさしく“惜しい”という言葉が当てはまる、普通に面白い映画である。

私的評価:★★★★★★★★☆☆ 8/10

 

20.『007 ダイ・アナザー・デイ

2002年の記念すべきシリーズ第20作にして40周年記念作品。またピアース・ブロスナンによるジェームズ・ボンドの卒業作でもある。その内容は、この映画が記念作品だということを頭に入れてから見れば納得のものだろう。ティモシー・ダルトンピアース・ブロスナン以降のスタイリッシュな雰囲気からショーン・コネリーロジャー・ムーアがふざけまくってた頃のようなバカ映画の雰囲気に回帰し、シリーズの集大成的なお祭り映画が生まれた。最新のVFXやCGなどをふんだんに用いて作られた荒唐無稽な映画で、ツッコみどころを挙げだすときりがない。まさしく、在りし日の007が帰って来た!という感じだ。しかし筆者はそんなことは知らなかったので、初見でぶったまげてしまった。ええ…またあの路線に戻るの…?ってな感じである。

この映画、冒頭がなんと北朝鮮から始まる。いやはや、冷戦後の脅威は北朝鮮というわけですか、なるほど。いきなりとっ捕まって拷問されているところでオープニングに入る。北朝鮮流の拷問を受けるボンドを見ることになるとは…。そしてオープニング曲を歌うのはなんとマドンナである。やたらとカッコいいオープニングであるが、この映画の内容に合ってるかは微妙である。しかしまあ、豪華だし良いか。

それからは光学技術で透明に見える車に乗って暴れまわったり、宇宙からビームを撃って38度線を焼き尽くしたり、電撃パンチマンがいたりと何でもありである。歴代作品のオマージュと見受けられるシーンが散在していて、それらを探したりするのは楽しい。筆者が好きな『オクトパシー』のワニスーツも見ることができて大満足である。ああ、やっぱりこの作品はそういう路線に回帰したかったのね。ピアース・ブロスナンショーン・コネリーが使ってたジェットパックを見て「懐かしい」とか言ってたけど、やっぱりあの頃と同一人物なようだ。もうお爺ちゃんだろ(笑)。

それでも中盤くらいまでは一応現実的に言える範囲で話が進むのだが、後半からはガラッと変わって、本当にアニメのようなバカげたシーンが続出する。満載のCGも時代的にその質に厳しいものがあり、もはや真面目に観ることは出来ない。しかしここでこの映画を叩くこと、それはもうシリーズ全体の否定であると思う。だって昔の作品もこんな感じだったし。007ってこんなんだったよな~と、ある種の笑顔で見ることは出来る。しかし今の時代に全力でバカ映画をやられると、さすがに面食らってしまう。おいおい…と。

総論として、お祭り映画としては良いが…といった感じだった。『ゴジラ FINAL WARS』とか『エスケープ・フロム・L.A.』とかが楽しめる人にはオススメである。個人的には『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクと『男たちの挽歌』シリーズのケネス・ツァンが出演してたのが嬉しかった。それからピアース・ブロスナンさん、お疲れ様です。

私的評価:★★★★★★★☆☆☆ 7/10

 

ピアース・ブロスナン作品の総論。

冷戦後もシリーズは成立するということを示し新たなスタンダートとなったピアース・ブロスナンの007は平均点が非常に高い。名作とそうでないものの差が激しい他の俳優のものと比較すると、いちばん安心して観れる作品群だと思う。これはもちろん筆者が平成生まれでCG全盛時代に生きてきたからだろう。しかし考えてみてほしい。60年代に始まったシリーズが90年代生まれの若者を虜にすることができるようになった進化は、単純に素晴らしいものではないだろうか。ただ逆説的に、一新されたことによってそれまでの空気がなくなったことも否めない。同じようにバカやってる『ダイ・アナザー・デイ』も、やっぱりあの頃の007にはなっていなかった。というわけで、そのジンクスをダニエル・クレイグがどう破ってくれるのか楽しみにしつつ、この記事を終えようと思う。

読んでくれてありがとう。