オタクノ作る時間

主にノベルゲームについて取り上げてきた元学生のブログ

科学ADVシリーズ第2段『シュタインズ・ゲート』を紹介。

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シュタインズ・ゲート』はゲームという媒体を超えてメディアミックス化され、多くの人に愛されたテキストアドベンチャーゲーム(ノベルゲーム)の傑作である。今回は筆者が久しぶりにプレイし直したこともあり、当ブログでもようやく取り上げようと思う。そしてもしあなたが今、このゲームについて全くネタバレしていない状態でこのページにたどり着いたのであれば、それはもうシュタインズ・ゲートの選択以外の何物でもないと思われるため、そういう人はぜひとも実際にプレイしてみてほしい。というか、プレイしたくなる記事を目指すつもりだ(笑)。なお、言うまでもなくネタバレ抜きにするつもりなのでご心配なく(^^ゞ

また、周辺作品についてもちょこっと紹介する

 

 それでは…

シュタインズ・ゲート』は『カオスヘッド』に続く科学アドベンチャーシリーズの第2段。2010年の秋葉原を舞台に、中二病の大学生が奇妙な偶然によって生まれたタイムマシンを巡る陰謀に立ち向かう様子が描かれる。

このゲームはそれまでの時空を題材にした作品たちのほぼすべての要素がきれいに詰まっており、その完成度は尋常ではない。ぶっちゃけて言うと同ジャンルにおける偉大な先人たちの知恵をまとめただけのような気がしないでもないが、それでもここまで過不足なくまとめ切ったことは特筆に値するし、それだけで素晴らしいと言える。それにそれらの作品では曖昧にしか描かれなかった法則に明確なルールを定め、そのうえ作中で描かれるタイムトラベルにも非常に説得力があるのは本作ならではのものである。プレイしていて「このゲームの製作陣は明らかに俺より勉強してるのが明らかだからツッコめないな~」と思わされるほど科学考証がしっかりしているのが純粋にすごい(まあ、実際に専門家が見ると穴だらけなのかもしれないが)。

またネットスラングの多用や現代の(もう10年近く前だが)秋葉原の街並みが往年のタイムリープものと融合した気だるい世界観は本作独自のものであり、夏のじりじりとした暑さを感じる演出も良い。序盤に描かれる仲間たちのと日常から、徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていくまでの見せ方が上手いし、プレイヤーと主人公の視点が終始一貫しているところから来る感情移入の濃さも見事の一言である。伏線の張り巡らされたシナリオはそれだけで素晴らしいわけだが、ゲームという媒体ならではの、主人公と共に“実際にプレイヤーが決断する”ことによって物語が転換していくインタラクティブな体験も他では味わえない快感だろう。「アニメで良いじゃん」って言う人もいるけど、少なくとも筆者は、“主人公の一人称であることによる没入感”・“自分の手で物語を進めるところ”の二点から、ゲームをプレイすべきであると考えている。というか製作陣がそこにかなり力を入れてくれているのは明白なんだから、ありがたくいただこうよ。

そして音楽やビジュアルのクオリティも高く、声優陣の演技も称賛に値するレベル。特に主人公を演じた宮野真守さんに至っては、彼無くして『シュタインズ・ゲート』は傑作足りえなかったと言い切れるほどである。異常に個性の強い主人公に愛着が持てるのは宮野さんの演技の賜物であり、もし筆者が宮野さんにお目にかかったら、とりあえず「岡部倫太郎、最高でした!」と感謝したいと思っている。

 

ここでまとめとして、総じて素晴らしい作品であると書いておく。ノベルゲーム入門にもベストだと思うし、IOS版も発売されているので手に取りやすい。個人的には不満点もあるのだが、それは筆者の好き嫌いに依拠するので、今回はそこに触れないでおこうと思う(笑)。強いて言うなら、自力で最良のエンディングを迎えるのが異常に難しいのは難点かも知れない。まあ、それも演出なのだが…。

 

最後に、関連作品について紹介する。その人気ゆえにスピンオフやファンディスク、ドラマCDなど様々な関連作品が世に出ているが、もともと一本で完結してる作品であるため、あの興奮をもう一度…と思ってそれらに手を出しても、本編ほど楽しめる作品はほぼない。筆者もそれらのすべてを網羅したわけではないが、もしあなたが本編が非常に気に入って、それでも少しだけでもあの興奮を…と思っているのであれば、次の二本をお勧めする。公式アナウンスで“正統続編”であるシュタインズ・ゲート ゼロ』とドラマCD『無限遠点のアークライト』だ。

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シュタインズ・ゲート ゼロ』は公式に“正統続編”であるとアナウンスされている(ファンディスクの域を出ないと思ったが)ためファンならばもちろん楽しめるはずだし、筆者も非常に楽しんだ。そして『無限遠点のアークライト』は最高のスピンオフの一本、必聴である。この二つさえプレイ(視聴)すれば他の作品群には触れなくて良いと思う。あと意外に思えるかもしれないが、舞台版も素晴らしい出来だったりする。

 

というわけで、『シュタインズ・ゲート』の紹介でした。プレイするのだぞ...エル・プサイ・コングルゥ…!

 

 

 

科学ADV第1段↓ 

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第3段↓

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第4段↓

lemuridae.hatenablog.jp