オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』ネタバレ抜きで感想を。

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ルパン一家の若き日の姿を描くスピンオフシリーズ「Lupin the Thirdシリーズ」。その最新作である『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』を観てきたので、ここにネタバレ抜きで感想を書く。まあ、とはいえネタバレ抜きにしようとしても、どうしても少しはネタバレしてしまうと思うので、全く前情報を入れたくない人は読まない方が良いと思う。

 

それでは…

本作はルパン一家の中でも最も戦闘能力の高い居合の達人、石川五ェ門を主人公としたスピンオフという触れ込みだったが、実質的には『ルパン三世』という作品の枠の中で五ェ門にスポットを当てた話という感じだった(まあこれは前作もそうだったので、だいたいわかっていたのだが)。時間軸としては前作の数ヶ月後に当たるらしく、70年代の日本を舞台としている。おそらく緑ジャケットのファーストシリーズ5話から7話の間?に位置する舞台設定なのだろう。まだルパンたちと五ェ門は仲間になっていないのだが、それでも互いの実力を買っているという関係性が良い。そしてルパン一家が全員若くてとがっているのが嬉しい。優しいおっさんルパンはどこにもいないのだ。

基本的な雰囲気は前作と同じであり、監督の小池健の作風が強く出ている。非常にスタイリッシュでハードな表現が満載だ。前作は次元大介が強敵と「世界最強のガンマンの座」を奪い合う話だったわけだが、今作は五ェ門の雪辱と精神的な成長を描いた復讐劇である。アニメーション、ひいては実写作品でも敬遠されがちな、刃物で斬られた人体の描写が非常に生々しく描かれており、日本刀の美しさと同時に、その恐ろしさを視覚的に伝えてくる。筆者は刃物って怖いな〜と、わりと本気で思った。鋭利なもので身体を切られる感覚は多少なりとも知っているので、画面からの「痛さ」が半端じゃない。本作はPG12指定の作品だけど、実質的にはR15指定レベルのハードな表現が満載なので、過激なシーンが苦手な人には注意が必要だろう。

そして本作は、おそらく『風魔一族の陰謀』以来の五ェ門がメインを張る作品だったわけだが、今回はまだまだ初登場時の雰囲気をまとった、とがってる頃の五ェ門が主人公であるため、いつもの五ェ門が見たいという人にはオススメできない。ルパン一家からも愛されているカワイイ末っ子キャラの五ェ門を見ることはできないからだ。しかし、本作の若い五ェ門も非常に魅力的なキャラクターであり、自分の実力に増長し、派手な紋付袴に装飾の施された刀を持っているところなんかは、ストレートに五ェ門の若さを象徴していて非常に良かった。大塚周夫ボイスの頃の五ェ門、または目つきが人殺しの頃の五ェ門に魅力を感じる人ならば楽しめると思う。

今回の不満点をしいてあげるなら、敵がまんまロジャー・ムーア時代の007の敵キャラ「ジョーズ」のキャラクターであることと、前作もそうだったのだが、CGのモブキャラが浮いていたところだ。特に敵キャラは魅力的なのに根本的な設定が他人の袴でなんだかな〜と思った。まあ、しいてあげるならだけど。

 

というわけで、これ以上はネタバレになりそうなので言及しないことにする。五ェ門の登場と共に、とがってる頃のルパン一家の掛け合いが観れたのも嬉しかった。どうやらこのシリーズ共通の黒幕として、あの劇場版1作目の強敵の存在が示唆されているため、そのうちリメイク版でも公開するんじゃないかな。

非常に楽しめたので、ハードなルパンが観たい人は劇場に急げ!