まったりゆったり、『コーヒートーク』の紹介です。
© 2020 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved.
みなさんごきげんよう。1年以上ブログを更新しませんでしたが、いかがお過ごしでしたでしょうか? 世間は新型コロナウイルスで大変ですが、私は就職したり引っ越したりいろいろあった中、幸いなことに元気です。
さて、前置きはここまで。今回はステイホーム中にプレイしたこのゲームを紹介しましょう。コーラス・ワールドワイド/Toge Productionsから発売された「コーヒーをいれながら、心と心をかよわせるノベルゲーム」『コーヒートーク』です。
このゲームの舞台は2020年のシアトル。異種族間で激しく争っていた過去が歴史の片隅に追いやられた”夢と狂気がひしめく街”で、プレイヤーは深夜に営業する喫茶店「コーヒートーク」のマスターになって、人間以外にもエルフやオーク、異星人といった様々な来訪者にドリンクを提供します。
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対応機種はプレイステーション4とニンテンドースイッチ。パッケージ版はないもののXBOX ONEとPCでもダウンロード発売されているので、皆さんも手に取りやすいでしょう。開発元はインドネシアのインディーゲームスタジオToge productionsというところで、つまり海外産のゲームになります。雰囲気がPCエンジンっぽく、レトロゲームフリークにはたまらない雰囲気。親日海外クリエイターによる、懐かしさあふれるノベルゲーム――この感じ、私は知っている! と、プレイする前から感じていましたが、わかる人にはわかるでしょう。このゲームは明らかに『VA-11 Hall-A』フォロワーでありました。『VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)』というのは昔このブログでも紹介した、ベネズエラの人たちが作った、バーテンダーノベルゲームです。
本作コーヒートークもそうですが、ヴァルハラがインディーズゲーム市場に与えた影響ってすごく大きい。ストアなんかを見ていると、日本語ローカライズされていないものも含めて、ヴァルハラっぽいゲームが多い。たしかにそれだけ魅力的なゲームでした。
そんなヴァルハラライクなコーヒートークですが、ゆえにヴァルハラにあった良いところは丁寧に継承されています。まずプレイして誰しも思うとことでしょう、音楽が最高に良い。サントラが欲しくてたまりません。ヴァルハラもそうでしたが、この音楽と魅力的なグラフィックだけで雰囲気抜群。この時点で既に及第点はクリアしてるでしょう。コーヒーを飲みながらこの雰囲気に身を委ねるだけで、気づけば作品の中のそこにいます。
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ゲームはボタンを押してテキストを進める――そして来訪者が望むドリンクを提供することで進行します。ひとつひとつの材料を組み合わせてお客さんの望む一杯を用意する。この作業をしているだけで気分は喫茶店のマスターに! 最初はレシピを見ながら作っていたコーヒーも、慣れれば覚えてささっと出せるように!
「マスター、いつもの」
これに対して、すぐにいつものを用意できる自分にシビれます。
© 2020 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. ↑ラテアートだって描けてしまう!
そういうことをしながら、基本的には来訪者と他愛のない雑談を交わすのですが、時折話は深いところに。様々な種族で溢れるこの世界では、偏見や差別問題なんかもたくさんある様子。容姿の違いや文化の違いについて、また家庭問題や人生論など、まったりしたこの作品にも現代的なメッセージが込められていて、それこそ繰り返し語られてきたテーマではあるものの、今なお取り上げられるべきメッセージだと思いました。
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登場人物がみんな優しく、しかしそれぞれ不器用なところも。そんな愛すべき来訪者たちに心が温まるコーヒーを提供するこのゲームは、疲れている人やまったりしたい人にオススメです。名作、傑作とは呼べませんが、私にとって大切な一本となりました。
ただ、難点を挙げるとボリュームが少ない。クリアまで10時間かからないくらいしかボリュームがないため、フルプライスで買うと物足りないと思います。筆者は1600円でダウンロードしましたが、これが適正価格な気がします。パッケージ版には特典やサウンドトラックが付属されているようなので、そうであれば高くないかな? なんにせよボリュームが少ないということは留意すべきかと…
以上、ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。また当ブログを応援していただけたらと思います。