オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『アマデウス』クラシックに無知な私はこう楽しんだ。

アマデウス”とは世界的に超有名な人物の名前である。恥じるべきことだが、筆者はアマデウスとは誰なのか、というか人の名前であるということすら映画を観るまでは知らなかった。もし未だにアマデウスさんが誰なのかわからない人がいたら、ぜひこの映画を観て教養を得てほしいと思う。

 『アマデウス』は音楽家アントニオ・サリエリの視点からヴォルフガング・アマデウスモーツァルトの一生を描いたアメリカ映画である。そう、アマデウスとはあのモーツァルトのことだ。クラシック音楽に対して義務教育以上の知識を持たない筆者でもモーツァルトは流石に知っている、フィガロの結婚トルコ行進曲の人だ(ちゃんと音楽の授業を聞いているとモーツァルトのフルネームくらい知っていて当たり前なのかもしれません)。

そんなクラシックにまったく興味がない筆者でもこの映画は非常に面白かった。ディレクターズカット版で本編が約3時間という長い時間を飽きずに観ることができた。これは大変すごいことだと思う。ふつう筆者のような人間ならクラシック音楽の映画なんて高尚すぎてすぐに寝てしまうからだ。

 

この映画は既に語りつくされている名作であるし、史実に忠実であるかとか如何に素晴らしい映画であるかなんてことは本物の映画評に星の数ほど書かれていると思う。今さら筆者が駄文を書くこともない。だからこの記事では筆者のようなクラシック音楽に無知な人間がアマデウスをどのように楽しんだかを書こうと思う。

 

まず、この映画はモーツァルトという一人の人間がどのような人物で、どのような時代をどのような人たちに囲まれて生きていたのかということを教えてくれる伝記映画としての楽しさがある。モーツァルトが彼の生み出した曲からは想像できないとんでもない変人だったという衝撃事実がまず初めに面白い。もちろんこれは映画だから誇張している部分や脚色はあると思う。しかし後世の人にそのように描かれるような人物であったことは明らかだ。イメージが一変することは間違いない。そして同時にモーツァルトの天才性には本当に驚く、‟やはり天才か…”と思いっぱなしの180分だ。

作中の「僕は下品な人間です。でも僕の音楽は違う」というモーツァルトのセリフが最高だった。

 

またこの映画にはモーツァルトの音楽、そして彼が生きた時代の音楽の楽しさがある。プロの音楽家から見て、モーツァルトを演じる俳優さんの演奏が本職の人と比べて素晴らしいか否かは筆者のような無知な視聴者にはわからない。しかし少なくとも素人の筆者にとっては映画の中で演奏されるピアノやオペラは楽しかった。純粋にモーツァルトの音楽を楽しめたのだ。

 

そして、主人公アントニオ・サリエリの苦悩だ。つまりこの映画の物語的な部分を楽しんだ。楽しんだという書き方に疑問符を感じるような、簡潔に表すと‘‘圧倒的才能の前にどうあがいても歯が立たず、そんな男を自分の前によこした神を恨む”という辛い話なのだが、普遍的なテーマを持っているから誰もが感情移入できる話だと思う。あの人には敵わないと挫折を味わうことは誰にだってあるからだ。それこそモーツァルトのように神によって選ばれた人間でない凡庸な人間である限りは誰でも挫折を経験するからだ。才能への嫉妬にかられたサリエリモーツァルトを策略で追い詰めていく様は人間の狂気に満ちている。しかしモーツァルトに最も嫉妬し、憎んでいたサリエリが「彼の音楽を最も理解していたのは私だ。私が彼の一番のファンだった」と語るシーンは切なさに胸をうたれた。

 

筆者は大変楽しんだし、アカデミー賞部門受賞の本物の名作なので気になった人は観てほしい。ラストのサリエリの言葉は忘れられないよ。以上、読んでくれてありがとう。

 

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