オタクノ作る時間

主にノベルゲームについて取り上げてきた元学生のブログ

『AI: ソムニウム ファイル 』をクリアしたので紹介します!

※本記事は18歳以上対象のゲームについて取り扱っています。

 

しぶりのブログ更新です。一部の人にはお待たせしました。ほとんどの人ははじめまして。このたびアドベンチャーゲームをクリアしたので、その感想を述べつつ未プレイの方々に紹介しようと思います。

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 サントラがついてきました。

 

のゲーム、『AI: ソムニウム ファイル』はスパイク・チュンソフトが2019年に発売したアドベンチャーゲームです。スパイク・チュンソフトという会社は 『かまいたちの夜』などを生み出した、言わずと知れた老舗アドベンチャーゲームメーカーの代表選手。そしてこの作品のディレクターは打越鋼太郎さん。『Ever17』や『極限脱出シリーズ』といった名作アドベンチャーを世に送り出した、アドベンチャーゲーム史に外せない人物です。そしてもちろんそんな作り手による作品をプレイしない手はない!ので、今回私はこのゲームを購入しました。

 

「AI: ソムニウム ファイル」は、遊んで楽しい王道アドベンチャーゲームでした。ノベルゲーム的でありながらもプレイアブルパートが非常に多く、画面クリックによって進行していくゲームデザインは、『ポリスノーツ』や『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』などといった往年のアドベンチャーゲームを思い起こさせます。なんだか2019年のゲームなのに「懐かしい」。しかしもちろん今の時代はPS4(もう次世代機が出そうだけど)、演出や3Dポリゴン、サウンドなんかはもう完全に今の世代のそれで、古臭さを感じる部分はあまりありませんでした。

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ソムニウムパートという夢の中を探索するパートはしっかりと「PS4のゲーム」です。

 

トーリーは連続猟奇殺人事件を追っていくSFミステリーもの。CEROレーティングZ区分の18禁タイトルであるので、『カオスヘッド』や『カオスチャイルド』のような精神をえぐる描写が多発するのかと思いきや、そういう要素は多少ありながらも、全体としてはポップな印象でした。ポップカルチャー全般に対するパロディやギャグ要素が全面的に押し出されているので、プレイしていて重々しさは感じられません。というか、主人公と相棒との掛け合いはもう完全に漫才です。笑えます。しかしだからといって緊張感がないというわけではなく、要所要所でしっかり殺人シーンが描かれるので油断はできません。筆者としてはこのバランスをなかなか気に入りました。意外なところでゾッとさせながらもプレイ感はライト、というのが遊びやすかったです。

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ちゃんと猟奇殺人です。

 

かし一方で、もっと全面的にハードに重々しさを押し出すことも十分可能なシナリオであるとも感じたため、そこは好みが分かれるでしょう。私はこのバランスで良いと思いました。何度か声を出して笑ってしまいましたから。

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主人公と同居する少女は良いキャラしてます。

 

た3Dのモデリングの完成度が高く、女の子がちゃんと可愛いのが良かったです。結構モーションなんかも凝っているのが贅沢で、グリグリ動いてくれるのが心地良い。これが昔ながらのアドベンチャーゲーム的である本作を現代的なものへと化けさせているのだと思いました。

 してほぼフルボイスでなおかつ、キャラクターを演じる声優さんたちが本当に良い仕事をしているのが非常に良かったです。無知な筆者には知らない声優さんが多かったのですが、すっかり気に入ってしまいました。鬼頭明里さんのファンになっている筆者がいます。

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えて難点を言えば、ちょっと過剰すぎると思えるギャグがあった気がするのと、シナリオにもさすがに無理がないかな……と思う展開がありました。この辺りはアドベンチャーゲームあるあるだし、特に打越鋼太郎さんのシナリオでよくあることなので慣れてはいるのですが、褒められることではないと思います。あと個人的には、一部のキャラに魅力が足りない気がしました。すごく気に入ったキャラも何人かいるので、ここは好みなのかもしれませんが。

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チュンソフト

 

ベンチャーゲームも衰退?している今、こんなにしっかりと作り込まれた大作アドベンチャーゲームを遊ぶことができたのは本当に幸せでした。作り手の皆さんに大感謝の良作です。エンディングの演出が良い意味で過剰にはっちゃけていてすごく爽やかな気持ちになれました。約30時間でクリアできたこのボリュームも丁度良いです。またこういうゲームを作って欲しいなと思える大事な一本になりました。

 

り手の皆さん、ありがとうございました。とても楽しく面白いゲームでした。アドベンチャーゲームをAIする皆さんにもぜひプレイしてほしいです! 間違いなくおすすめの作品です。以上、ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。