オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

『code_18』 クソゲーを紹介。

世の中にはクソゲーというものがある。悲しいことだが、どれだけ作り手側が情熱を持っていても、技術が志しに見合わなかったり、作り手側が面白いと思うことが世間の感性とズレているとクソゲーになってしまう。しかし許せないのは、作り手側が手を抜き、きちんと自分の仕事をこなさなかった結果に生まれるクソゲーだ。今回紹介するのはそんなどうしようもないクソゲー、『code_18(こーどえいてぃーん)』だ。

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『code_18』は2011年のクソゲーオブザイヤー据え置き部門次点という不名誉を持つ正真正銘のクソゲーだ。筆者はそういうゲームを遊んでみようとは全く思わない人間なのだが、このゲームは例外だった。このクソゲー、なんと筆者が大好きなテキストアドベンチャーゲームのシリーズ、infinityシリーズの最新作として発売されたのだ。

infinityシリーズとは打越鋼太郎さんと中澤工さんが手がけたテキストアドベンチャーゲーム群のことである。同じ時間を繰り返すループ世界を題材としたシリーズで、『Never7』『Ever17』『Remember11』という3作品がある。開発していたメーカーが倒産したことでこのシリーズは2005年に終焉を迎えるんだけど、それから6年の時間が経ち、とあるメーカーが版権を手に入れて続編を制作した。それが罪深き『code_18』である。

そういうわけで、このクソゲーにはシリーズを手掛けたメーカーや過去作のスタッフは関係していない(数名関わってるけどメインは関わってない)。生みの親のあずかり知らぬところで生まれ、シリーズを汚したのである。だから筆者もシリーズの作品だとは認めていないというか、そう思いたくない。

そもそもinfinityシリーズは伝統として、〜er 素数 〜 of infinity というタイトルがつけられていたのに(Never7 -the end of infinity- など)このゲームはこの法則を無視。タイトルからして作り手側のシリーズへの愛情のなさが露呈している。しかしシリーズのファンとしては、一応シリーズ最新作を騙っているからにはプレイしなければいけない気がした。このゲームはシリーズファンには避けては通れない いばらの道であり、凍てつく夜だったのである。クソゲーだと重々承知しながらもプレイする悲しさよ…。しかし懐には優しく、中古で250円でした(笑)。

 

で、このゲームの感想をつらつらと書こうと思う。クリアしたのは随分前なんだけどね(笑)。なお、このクソゲーのタイトルで検索してもらったら、面白おかしくそのクソさを紹介しているサイトはたくさんある。この記事は明らかにそれらに劣るし、恐ろしいことに筆者がプレイしたpsp版はXBOX360版よりはまだマシな出来なんだそうな。というわけで、クソさを笑いたい人は他のサイトをご覧ください。それでは…。

まずこのゲーム、何がダメって、システムがダメだ。音声とテキストが同期せず遅れて表示されるし、結構な頻度で処理落ち。また場面転換の際に曲と音声とテキストが止まる・誤字脱字の山など、基本からなってない。こんなの最後までプレイできねーよと頭を抱えていると、これらの不具合はメモリーカードへのメディアインストールで改善された。うん…まあ回避方法は用意されてるけどさ…pspのノベルゲームで処理落ちってどうよ。UMDが常に爆音を立てている。他のシリーズ作品はシステムがものすごく快適だしメディアインストールなんかしなくてよかったぞ…。

またこのゲーム、ヒロインが複数いるのに攻略の順番は最初から決まっている。つまり一本道、分岐なしである。まあ誰でもいいようなキャラしかいないから別にいいけど、選ぶことができないとは、もはやゲームですらない。ただ読むだけだ!

さらに、テキストを読んでいたら時系列が突然飛んだり、暗転なしで唐突に翌日になってたり、ボタンを押すと間髪入れずに場面転換してたり、なぜかキャラの視点が変わるときに画面全体がモザイクみたいな処理をされたりといろいろヤバい。マジでなんなんだよ…。

 

上述したように、基本的には笑えないタイプのクソさの宝庫。しかし、そこからさらに作り手側の手抜きは加速する。そして手を抜き過ぎた結果、爆笑シーンが生まれた。

厳格な家庭で育てられたヒロインが文化祭に家族を呼ぶシーンがある。シナリオではヒロインはメイド服を着てるはずなのに、なんと立ち絵は制服のまま。しかしシナリオはメイド服を着ている体裁のまま進む。いつもと同じ制服姿のヒロインに主人公が見惚れたりしてて、さすがに笑った。しかも立ち絵に留まらず、イベントCGでも制服のまま。なんでやねん…。立ち絵は百歩譲って許してやろう。ほんの少しの場面のために新しい立ち絵を用意するのは大変だしね(こんな擁護をさせるなバカ!)。しかしイベントCGくらいちゃんとメイド服姿にしてやれよ! そしてその制服姿のヒロインを見て、ハレンチな格好だと赤面するヒロインの祖父。全然ハレンチじゃねーよ。

また、ほんの少しの場面のために新しい立ち絵を用意するのは大変だと上述したけど、だからといってこのゲーム、汎用性の高い立ち絵をちゃんと用意しているわけでもない。何も考えずにメインヒロインの私服姿の立ち絵にバッグを持たせるから、メインヒロインは屋内にいても寝室にいてもずっとバッグを持っている。あのさあ…バカなの?

また、主人公がとあるヒロイン宅で夕食を食べるシーン。大家族に彼氏と勘違いされて居心地の悪い思いをするという定番のシーンなのだが、こちらも大家族なのに一人分しか立ち絵が用意されていないので、閑散とした食卓に大家族の声だけが響き渡る。軽いホラーだよ。あと、眼鏡を外してキスをするシーンで眼鏡が外れてなかった(笑)。

 

ここまで書いたことで、このゲームがどれだけヤバいか、どれだけ作り手にプロ意識がなかったのかがわかってもらえたと思う。しかしここで書いておきたいことは、ちゃんと仕事をした人もいるということ。クソゲーだったけど、声優さんの芝居は良かった。それに、筆者が知っている声優さんだけでも、石塚運昇さん、野中藍さん、小林沙苗さん、後藤邑子さんといった豪華なメンツが集まっている。こんなゲームに出演してくださったキャストたちに敬礼。それから音楽や主題歌もロックっぽくてカッコよかったかな。

あと肝心なシナリオに関してだけど、まあ面白くはないけど特別つまらなくもない。要はわざわざプレイすることもない感じだ。infinityシリーズは閉鎖空間からの脱出・プレイヤーを華麗に欺くトリックが売りのシリーズだったけど、この『code_18』は普通の(つまらない)ギャルゲーである。学園ものであり、シリーズのテーマであるループ要素も終盤まで絡んでこない。

読み終えて思ったことは、わざわざinfinityシリーズとして発売する必要はなかったんじゃないかということ。過去作のキャラとかが一切でてこないしね。しかしシナリオ以外のシステム面やグラフィックが相当に手抜きというか、ちゃんと仕事をしていないので、このゲームにおいてシナリオを叩く気にはなれない。まあ40点くらいのシナリオである。

 

というわけで『code_18』を紹介させていただきました。プレイするなよ?

このゲームの最も良かったところはプレイ時間が短かったことです。興味がわいた人は『Ever17』をプレイしましょう!

以上、読んでくれてありがとう。

 

つ~か、結局タイトルの意味がいまだに分からん…。