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オタクノ作る時間

バイトと学校を除くとほぼ引きこもってる学生のブログ。主に映画の感想とノベルゲーの紹介。週一更新から不定期に移行。

007シリーズ初心者が年代順に観て感想を書く! 60年代編

映画 感想・紹介 007

世界一有名なスパイ映画、『007シリーズ』を観たことがない!そんな状態から抜け出さなければならないと唐突に思い立ち、これからシリーズ全作品を年代順に観て感想を書く。まずは60年代の作品から。

 

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1.『007 ドクター・ノオ

1962年公開の記念すべき007シリーズ映画化第1作。冒頭から自分を狙う敵を銃口越しに射撃するシークエンスと、お馴染みのテーマ曲を確認することができる。既にその後のお約束は出来ていたようだ。

007ことジェームズ・ボンドを演じるのは当時32歳のショーン・コネリー。画面に映る姿をひとたび目にすれば、彼のセックスシンボルたる理由がすぐにわかる。なんというか、今の32歳にあの色気はない(笑)。彼の演じるボンドは非常にセクシーで、女の口説き方やセリフ回しなんかはめちゃくちゃカッコいいわけだが、いろいろ隙だらけである。寝室に毒蜘蛛を仕掛けられただけで大汗かいたり、割とあっさりと敵に捕まってしまうのに驚いた。

この映画、シリアス路線なのかギャグ路線なのかいまいちよくわからない。クールなセリフ回しやカッコいいカーチェイスがあると思いきや、忍者の様に竹で呼吸しながら水中に隠れるシーンなど、笑ってしまう場面も少なくない。それに話の骨格自体が、“アメリカのロケット打ち上げを邪魔する謎の博士を倒す”という、SFなのか何なのかよくわからないものだ。「博士のいる島にはドラゴンがいる!」なんてことを登場人物たちに大真面目に話されては、観ていてこの上なく困惑する。これってB級映画なのか…?と。

結論、古さは感じるが退屈ではない。トンデモ兵器や敵のボス ドクター・ノオのキャラクターなどが楽しいし、孤島に潜入というスパイ映画の基礎が確認できた。原点に触れるという意味では良かったと思う。ただ古い映画が苦手な人にはオススメしないかな。脱線するが、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』ってこの映画が元ネタなのかな?ドクター・ノオの義手パンチとか、孤島の感じなんかが似ている気がしたが…。

私的評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 5/10

 

2.『007 ロシアより愛をこめて

1963年公開の007シリーズ映画化第2作。前作でその存在が示唆された犯罪組織「スペクター」がボンドをイスタンブールに誘い出す。ボンドは東側の女性エージェントと接触し、罠と知りつつそこに飛び込んでいくのだが、そこにはスペクターの刺客が待ち受けていた…という緊張感のあるストーリー。

この映画は前作と違って、はっきりシリアス路線だ。ドクター・ノオのようにSF的な要素はなく、様々なロケーションでのアクションに満ちた映画である。明らかに前作より予算が増えている気がするのだが、どうなのだろう。またボンドガールと呼ばれるヒロインがストーリーの核として登場するのもこの2作目からじゃないだろうか。個人的に興味深かったのが、本作ではまだ顔が見えないスペクターのボス No.1のキャラクターだ。ペルシャ猫を撫でるボスの元祖はここにあったのかと純粋に驚いた。

見どころはスーツケースやナイフ付きの靴などのカッコいい仕掛け武器、ヴェニスの街並みを颯爽と駆けるショーン・コネリー、そしてなんといってもオリエント急行内でのアクションだ。そこで刺客と決着をつけるのだが、狭い車内での駆け引きは少し目を離せば終わってしまいそうで、常に緊張感がある。

結論、前作より面白い。イスタンブールから始まり、オリエント急行に乗り、ヴェニスで終わるというロードムービーのような趣も良い。ただ相変わらずボンドは罠にはまり過ぎな気がする。この映画、4回くらい敵に見逃してもらっているんじゃないか?(笑)もしかして007ってそんな感じなのか…。あともう一つ笑ってしまったのが、いわゆる「冥土の土産に教えてやろう!」っていうやつが長すぎること。もちろんこの映画からテンプレになっていくんだろうけど、やはり今見るとギャグになってしまっている。喋ってないで撃て(笑)。有名な話だけど、某有名SFアニメの音楽は絶対にこの映画の音楽のパクリだよね…。

私的評価:★★★★★★★★☆☆ 8/10

 

3.『007 ゴールドフィンガー 』

1964年公開の007シリーズ映画化第3作。金塊の密輸で財を成す富豪 ゴールドフィンガーの陰謀をボンドが阻止するお話。まだ3作しか観てないけれど、今のところはこの映画が一番好きだ。シリアスだった前作と異なり、1作目のようなアホな(褒めてます)映画である。そしてそれが非常に楽しい。

冒頭がまさにスパイ映画といった様相でワクワクさせられ、さらにオープニングがボーカル付きになってオシャレ感が増している。この時点で期待は相当のもの。それからいつものように出会ったばかりの女とすぐに肉体関係を持つボンド…自重しないなあ(笑)。そして5000ポンドの金塊を賭けてゴルフをしたり、ホーミング性能が異常な殺人山高帽を使うアジア人がいたり、金粉まみれで女が殺されたり、とにかく記憶に残るシーンのオンパレードである。この荒唐無稽さが良い。秘密兵器を積んだ車で戦ったり、暗闇の中で敵のアジトに潜入したりと、昔のルパン三世のようなクールさがある(もちろんルパンのほうがフォロワーなんだけどね)。アクションや敵地への潜入シーンが多いから、なんというか、筆者が007に対して抱いていたイメージに今のところ一番近い映画だった。

3作目にしてようやく悟ったのは、ジェームズ・ボンドは無敵系のキャラではなく、簡単に捕まってしまったりするキャラだということ。窮地を乗り越える系のキャラなのね。観るまでは油断も隙も無いキャラだと思ってたんだけど、そうでもなくて、相手がゴルゴ13とかだったら何度も死んでるような気がする…。

結論、今のところ一番好きな007だ。笑顔でボンドを圧倒する山高帽男の存在感が異常である(笑)。バカバカしくて非常に楽しい。凄くクールでオシャレな映画なので、大満足である。そしてまだ3作目だけど、もうショーン・コネリー以外のボンドは受け入れがたいかもしれない。

私的評価:★★★★★★★★★☆ 9/10

 

4.『007 サンダーボール作戦

1965年公開のシリーズ第4作。犯罪組織スペクターが原子爆弾を強奪、それと引き換えに1億ポンドを要求してきた。英国情報部は原子爆弾を捜索する サンダーボール作戦を実行、007たるジェームズ・ボンド原子爆弾の捜索に向かうのだった…というストーリー。前3作と違って画面がシネスコサイズになったことで見やすくなった。また前作と異なり、再び『ロシアより愛をこめて』のようなシリアス路線に戻っている(とはいえギャグっぽいシーンもあり、脊椎牽引装置で殺されかけるボンドには爆笑した)。

本作の特徴はシリーズ初の水中戦だろう。銛を発射する水中銃が大活躍する珍しい映画で、酸素ボンベをつけながら水中を駆けまわるボンドは、なかなか見ごたえがある。また人喰い鮫との攻防など、水中独自の緊迫感が良く出ている。水の中って、見ているだけで苦しいからね。ゲームの水中ステージも謎の怖さがあるし。

全体を通して派手なアクションが満載で良いのだが、前作『ゴールドフィンガー』の荒唐無稽な楽しさの後に観ると退屈する。良い意味でアホなシーンがないのが残念だった。良いところいえば、女性陣がエロいのと、敵の女を盾にするボンドの悪党ぶりかな。

結論、あまり書くこともない。前作、前々作が非常に面白かっただけに期待外れだった。この映画、130分あるんだよね。他のは大体2時間ジャストか110分くらいだったから、もう少しスリムにしてくれればもっと良かったかも。それはそうと、スペクターの幹部やストーリーの要所要所に日本人が登場するのが興味深い。当時の日本は高度成長期だし、勢いがあったんだろうな。

私的評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ 4/10

 

5.『007は二度死ぬ

1967年公開のシリーズ第5作。米ソの宇宙船を捉える謎の飛行物体を捜索するため、その発射台の存在が疑われる日本へと007が派遣される…というストーリー。前4作でもちょいちょい日本が出てくるな~とは思ってたけど、なんとこの映画の舞台は日本! まさか浴衣を着て団扇で涼むジェームズ・ボンドを見る日がくるとは思わなかった…。

ボンドが日本に上陸するとアサヒビールのネオンが映し出される。そして内通者との待ち合わせ場所は国技館。ほんとにボンドが東京にいる!と、思い知らされる場面である。筆者のような世代には、生まれる遥か前、1960年代の街並みがありのままに描かれているところがまず面白い。60年代の日本の魅力を様々な角度から堪能させてくれる。そして当時のありのままの日本に加えて、欧米から見た日本のイメージも両立しているのが良い。おかしなシーンは多々あるんだけど、今となってはそれも不思議な魅力になっていると思う。

この映画はたぶん『ゴールドフィンガー』以上のバカ映画だろう。もう漫画みたいな話だ。日本の火山口にスペクターの秘密基地があったり、そこを制圧するのも日本の忍者部隊だ。忍者部隊だよ? もう手裏剣とか投げ出したときには笑っちゃったぜ。髪形を変えたり着物を着たりして日本人に変装するボンドなんかも、どう見ても日本人とはかけ離れてて、笑わないほうがおかしい。というか身長188センチのショーン・コネリーが当時の日本の街並みにいるだけで、『テルマエ・ロマエ』みたいな面白さがあるんだよね。

結論、書くことが多すぎる(笑)。だからもう、実際に自分の目で観てほしい。仕掛け満載のヘリでの空中戦とか、空撮で上から撮った格闘シーンなんかは迫力満点だ。また個人的に『砂の器』以来の丹波哲郎が、ショーン・コネリーに勝らず劣らずの存在感を発揮していたのが素晴らしいと思った。それにシリーズ通して見ても、スペクターのボスが初登場する作品だから避けては通れないと思う(ドナルド・プレザンスだったのね…)。

私的評価:★★★★★★★☆☆☆ 7/10

 

6.『女王陛下の007

1969年公開のシリーズ第6作。ジェームズ・ボンド役がショーン・コネリーからジョージ・レーゼンビーに交代。そして2代目ボンドが見られる唯一の作品である。ショーン・コネリーが見事なボンド像を示してくれたため、主演の交代は不安視していたんだけど、ジョージ・レーゼンビーのボンドもなかなか良い。セクシーさが少々足らないものの、アクションがキレキレで、特に格闘における投げ技は見ごたえ抜群である。たった一本で2代目ジェームズ・ボンドの称号をものにしただけのことはあるぞ。

この映画、前作とはまた方向性が違い、『ロシアより愛をこめて』や『サンダーボール作戦』のようなシリアス路線である。そしてシリアス路線作品の中でもより一層シリアスで、007らしからぬラストにはかなりの衝撃を受けさせられる。

全体を通して評すると、序盤から中盤にかけては最高に面白いのだが、残念ながら途中からダレてくる。というか前作の一件でボンドとスペクターのボス ブロフェルドは面識があるのに、どうしてこの映画ではお互いに顔を知らないんだ? まさか俳優が変わったからとは言うまいな…。

結論、惜しい作品だ。ボンドの格闘シーンや雪山でのスキーチェイス、そして衝撃のラストといった見どころがたくさんあるものの、プレイボーイを読みふけるボンドの間抜けな絵面が象徴するようなガッカリシーンも少なくない。一番の不満は長すぎること。2時間20分は長い。もう少しコンパクトにしてほしかった。そしてボンドカーなどの007ならではの魅力に乏しいのも残念だ。あと女王陛下が出てこないじゃん…なんでこのタイトル?って疑問も残る。しかし007シリーズにおいて欠かせない作品だと思うので、必見の一本だ。余談だが、『インセプション』の元ネタだとわかったので、そういう目的で観るのもありだと思う。

私的評価:★★★★★★☆☆☆☆ 6/10

 

60年代作品の総論。

シリーズ第1作から第6作まで観たわけだが、ようやくこのシリーズがどういう感じなのか掴めた気がする。最高に面白かったのが『ゴールドフィンガー』、バカバカしくて楽しいのが良い。そして『007は二度死ぬ』も作品の良し悪しは別にして、何度も繰り返し見たくなる楽しい映画だと思う。正直『ドクター・ノオ』を観た時は、こういうのが連続するとシリーズ制覇がつらいと思ったのだけど、『ロシアより愛をこめて』はすぐにそんな気をなくしてくれた。そして『女王陛下の007』が思ってたより面白かったから、ショーン・コネリー以降の007にも期待しようと思う。

興味深かったのが映画における日本の存在感。『007は二度死ぬ』ではもはや舞台になってしまったわけだが、それまででも白人たちの中に姿を見かけるので、日本の経済成長、そして世界において日本が認められていく過程を見た感じがする。この頃の欧米人は“東洋の神秘”を信じていたのかな。それからもはやエンターテインメントで使い古されたテンプレの原点が見られたのも感動ものだ。これからもどんどん007を観ようと思う。

 

以上、読んでくれてありがとう。時間がかかるかもしれないけど、全作感想を書くのでお楽しみに!