オタクノ作る時間

外に出ることを好まない学生による、映画やノベルゲームの批評を主とした非営利ブログです。

科学ADVシリーズ第1段『カオスヘッド』を紹介【ネタバレなし】。

 ※紹介するゲームは一部、18歳以上対象のものを含みます。

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プレイステーションヴィータ用ソフト『CHAOS;HEAD DUAL』をクリアしたので感想を書く。実はこのゲーム、様々なハードに移植さえているうえに、筆者自身もPSP版とXBOX360版で既に体験済みであった。なので今回はゲームの感想に加えて、筆者が知りうる限りのハード別の比較なんかも書こうと思う。なお、ネタバレを抜きにするためにストーリーの深いところにまでは言及しない。だからこのページは、まだこのゲームに触れたことがない人向けになると思う。このページを見て『カオスヘッド』に興味を持ってもらえたらうれしい!

 

カオスヘッドデュアル』は妄想科学アドベンチャーCHAOS;HEAD NOAH』とそのファンディスク CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』の2本を収録したPSVITA用ソフトである。それでは、以下に『CHAOS;HEAD NOAH』と『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』の感想を書こう。

 

CHAOS;HEAD NOAH』

 

CHAOS;HEAD NOAH』は渋谷を舞台に、キモオタの高校生 西條拓巳が「ニュージェネレーションの狂気」と呼ばれる連続猟奇殺人事件に巻き込まれていく姿を描いたサイコサスペンスである。ゲシュタルト崩壊夢遊病・乖離性二重人格・集団ストーカーといった精神的に追い詰められる要素を多く含み、それらが執拗かつ詳細に描かれるテキストは、読む者の心に重くのしかかる。このテキストだけでも十二分に追い詰められる内容なのだが、もちろん視覚からくる直接的な残酷表現(グラフィック)にも力が入っていて、生理的な嫌悪感も満載。主人公が世間から隔絶された引きこもりであり、なおかつ「妄想」をテーマにしていることから来る“誰にも助けてもらえない”という閉塞感や絶望感、どこまでが妄想でどこからが現実なのかわからなくなる恐怖演出を楽しもう。

このゲーム、非常に独特な魅力を持ったゲームであるため、唯一無二の作品と言える。だからギャルゲーだと思って気軽にプレイすると大変な目に合うということは、ここにちゃんと書いておきたい。同ジャンルであり続編の『カオスチャイルド』とも似て非なるものであり、こちらのほうが主人公が孤独かつ閉塞感がある。特に、BGMをあまり使用せず、“人々の囁きや・環境音・PCの駆動音” といったノイズを強調する音響演出が、孤独感を尋常じゃなく盛り上げてくるのが凄い。たまには劇薬に触れてみたい人や追い詰められる恐怖に浸りたい人はぜひともオススメである

…と書いたが、追い詰められる恐怖に浸りたい人なんて、まあいませんわな(笑)。もう大体わかっていると思うが、このゲームはプレイしていて非常にしんどい。本当にひたすら精神的に追い込まれる話だから、非常に人を選ぶ内容になっている。筆者自身も今でこそ好きなゲームの一つになっているけど、初見の時は「誰得だよ…」と思った。よっぽどのマゾじゃないと喜べないだろ…と。しかし安心してほしい。本作は終盤に進むにつれてヒロイックな展開になっていくので、読後感が意外に爽やかだ。わりとイライラさせられるシーンも少なくないので難しいかもしれないが、最後までたどり着ければそれなりに満足できると思う。

…とはいえやっぱり、自分が好きでも他人に勧めるべき内容ではない。しかしこのゲームは傑作『シュタインズ・ゲート』などと世界観を共有する科学アドベンチャーシリーズの第一作であるため、シリーズ全体を通して楽しみたいのであれば、決して避けて通ることは出来ない。それに続編にあたる『カオスチャイルド』が本当にガチでマジの傑作なので、本作はプレイしておいたほうが良いと思う。つまりカオスチャイルド』を楽しむためにプレイするのがオススメです

 

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』は『カオスヘッド』のファンディスクである。“典型的なギャルゲ”の要素を(ギャグとして)過剰なまでに詰め込んだゲームになっており、凄惨な本編とのギャップがプレイヤーを笑わせてくれる。サイコサスペンス的な方向で壊れたヒロイン達と、まさかのラブコメを楽しむことができるので、重苦しい本編を終えた後にプレイすると最高に笑えるし、救われる(笑)。また、ユーザーインターフェイスや音楽、ポップな演出などにも力が入っており、ファンディスクとしての完成度も非常に高い。さらには “ファンディスク”と銘打ちつつも、実質的にはカオスヘッド 完結編』とも言えるほどしっかりしたストーリーが展開される。だから本編、あるいはシリーズのファンであるならば、必プレイの一本だ。筆者はこのたび初めてCHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』をプレイしたのだが、何度も爆笑したし、非常に楽しかった。本編を愛せるようになって、キャラにも愛着を持てるようになってからプレイするべきだろう。ただ15時間ほどで終わってしまうのと、個別ルートのボリュームが少ないのは残念である。

筆者は萌えアニメなどを気持ち悪がってるタイプの人間だったのに、いつの間にかこういうゲームをニヤニヤしながらプレイする人間になっていたなあ…( ̄▽ ̄)

 

最後に『CHAOS;HEAD NOAH』のハード別の違いを筆者が知っている限り書く。

 ↓ 左からPSVITAXBOX360PSP

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まず最大の違いは、XBOX360版とPSVITA版が18歳未満お断りなのに対して、PSP版とPS3版は誰でもプレイ可能である。なのでもちろん18禁バージョンと全年齢バージョンには表現の違いがある。具体的に言うと18禁バージョンにある残酷・ゴア表現が全年齢版ではカットされているのだ。だから内容的には18禁バージョンが無修正かつノーカットにあたるので、筆者としては18禁バージョンをお勧めする。全年齢版では過激表現のカットによって話が分かりづらいうえに、そういう表現が苦手な人がプレイできるほどマイルドになってもいない。つまり中途半端な規制なので、わざわざ残酷なこのゲームを遊んでみたいと思った人であれば、迷わず18禁バージョンをプレイするべきである。あ、もちろん18歳に達してない人はダメだよ?(笑)

そして当たり前の話だが、据え置き機であるXBOX360版は大画面でプレイすることができるうえに、解像度が最も高い。ハイビジョンかつドルビーデジタルにも対応しているから、最もリッチなゲーム体験ができると思う。しかしこのXBOX360版にはシステム面に致命的な欠点がある。二周目以降の既読スキップの速度が異様に遅いのだ。これによって周回プレイが非常に面倒になっているので、筆者はあまりお勧めしない。どうしてもテレビでプレイしたい人には反対しないが…。

次はPSP版だが、こちらはゴア表現が規制されているものの、XBOX360版の後に発売されたこともあり、システム面が快適化されている。スキップ速度が快適なレベルにまで向上したし、その他の部分にも細かな快適化が施された。しかし筆者は初見がこのPSP版だったため、それでも操作性が悪いと思った。というのもPSPはハードの性能上、UMDの読み込みの長さと騒音がなかなかに煩わしい(これらの点はDL版とかなら問題ないと思う)。

PS3版は申し訳ないがプレイしていない。しかし聞いた話では、規制済みのバージョンが大画面でプレイできるそうだ。同じく据え置き機であるXBOX360版と違ってスキップ速度も快適であり、非常にカッコいいオープニング映像が追加されてもいる。表現規制の問題はあるが、大画面でプレイしたいのであれば選択肢としてありだと思う。解像度や音響も申し分ないはずだ。

最後にPSVITA版。こちらはXBOX360版をベースに、PS3版のオープニングやスキップの快適化、ショートカットなどを追加してある。PSVITAのソフト自体がディスク媒体ではなくカードリッジなので、スキップ速度はおそらく最速。二周目以降のスキップ待ち時間が非常に短くなって快適だった(初見とそうでないという差はあるものの、PSP版はクリアまで40時間、PSVITA版は23時間だった)。筆者的にはPSVITA版をお勧めするのだが、PSVITA版は、立ち絵が切り替わる際に処理が遅れるという大問題も発生している。実は筆者もこれが原因でなかなかPSVITA版に手を出せなかった。Amazonレビューなんかでも問題視されていたからだ。しかし擁護しておくと(他のゲームを酷評してるのに致命的なバグを擁護するのもどうかと思うが)個人的にはそんなに気にならなかった。というのも、立ち絵とテキスト表示が遅れても、音声は問題なく流れるので、一時停止で待たされるわけではないからだ。とはいえまあ、良くないことには変わりないが(ちなみにCHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』のほうは何の問題もないので心配なし)。

要するに、PSVITA版がオススメです!

 

というわけで『カオスヘッド』の紹介でした。読んでくれてありがとう。

 

 

 科学ADV第2段↓

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第3段↓

lemuridae.hatenablog.jp

科学ADV第4段↓

lemuridae.hatenablog.jp